過去最長の旅を終え、AIコアを3つ持ち帰ったユキ達探検隊。
計4つとなったAIコアで選択した研究は……
「やられた時の対処アイテム」である義肢より、防衛力を上げ「やられない事」を考えた選択。
ふーむ、既存のハープーン２種とは別物か。アップグレードで作る物では無いんだな。
シングル砲台：単発だが、威力が最強
ダブルバレル砲台：かなりの高威力で２連射
多連装砲台：連射式だが、単発威力がかなり低い
ってトコか。
ちょっと時系列をすっ飛ばして、完成後の姿を披露。
ガトリング砲のような回転銃身！ イカスー！！
今後義肢を自家生産する時の事も考え、モーターの作り置きも始めて行く。
キングガーグラーから奪ったメイトウの人斬り包丁はスキナーに使ってもらう事に。
義足という個性のあるキハクと比べて、相棒のスキナーが地味かな、と思っての選択。
拠点でゆっくり休んでから、ユキ、クロウ、ブングルの探検隊は再び旅に出る。
今度の目的地は、前回探索をパスした村、「ロット」。
スワンプの村なら、大した物は無いだろうが……
設計図の一つもあればいいな、と、生産品の売却がてらの近場旅である。
まずは、前回の帰宅直前に出くわしたダストの拠点を行きがけの駄賃とばかりに叩き潰し……
沼地を南下し、現地到着。
やっぱりこのタイプのショボい集落だったか。
大して期待せず、村の中をクリックして入ろうとするが……
おかしい。 経路判定がおかしいのか、自動移動が行われない。
なるほど、入り口がロックされていたのか。
出入り口が一箇所だけとは、珍しい。 敵対勢力の土地でなければいいが……
と、カメラを飛ばして様子を探ってみる。
うっ……
一面骨まみれ…… なんだか悪い予感がするのぅ……
Altキーを押すと、惨憺たる様相。 何にやられたんだ……？ 敵はいないようだが。
小屋の名前が「荒らされた」とは…… やはり生存者はいないのだろう。
ダスト盗賊との戦いで受けた軽いダメージを治療するためにも、ベッドが見つかればそれでいいのだが。
お邪魔しまーす。
ガラッ
あっ、ふーん、そう来る……？
そう来たかー へぇ～～
グエーッ！！
くっそ、相変わらず一発がデカい！
二人と一匹はすっかりズタボロ……
これは、他の家屋もドアを開けたらドッキリが待ち構えているんだろうな……
ゆっくり身体を休め……
この後一つ一つ家屋を解放し、赤蜘蛛を倒していった。
ちょっとした様子見のつもりが、長い合宿になってしまったなぁ
かなりの時間を掛け、無事殲滅完了。
これで犠牲者の無念が少しは晴れてくれるといいが……
この村の勢力名はスパイダー。 住民もスパイダー。
教典が転がっていたし、元は聖帝国の村だったのかな……
突然の修行タイムを終え、元々の目的……物資の売却に向かうべく、マッドタウンに向けて出発すると……
おや、まだ未発見の村があったのか。
マッドタウン到着時は夜。店が開く夜明けまでには時間もあったので、立ち止まらずに村を目指して出発。
真っ暗な村に接近すると……
え？ いきなり何それ？ ここもヤバいトコなのかっ！？
なんと…… ここに住んでいたのは……
バンドオブボーンズ！？
まだ見つけていない沼ニンジャやストーンラットの本拠地ならば分かるが……
バンズの連中がスワンプに拠点を持っているとは、初耳だぞ！
「話しをする」の選択肢が出ている……
問答無用で襲い掛かってくる訳では無さそうだ。
今まで散々戦って来たが、関係性は悪化していない。それが幸いしたか？
おおっと、
そう来たか～～ なるほどなぁ～～～
これは、シェクの戦士に対して礼を失してはいかんなぁ…… かかってこいマヌケ野郎！！
今まで関係性０を保って来たのに…… 結局はこうなってしまったか。
まあ、仕方ない。 これもまた修行と考え、正々堂々、受けて立とうではないか。
村のあちこちを駆け回り、両者共に気絶を挟みつつ、長い戦いが続いた。
やがて、起き上がって来る者も少なくなり……
二人と一匹の大立ち回りで、バンドオブボーンズは壊滅してしまうのであった。
これで戦いが終わってくれればいいのだが……
一息ついた後、死にかかっている敵の治療をしていると、無情にも赤蜘蛛＆ラプターが乱入。
バンズの連中は弱り目に祟り目、徹底的に追い込まれる羽目になってしまった。
こちらを無視し、応戦に駆け回り始めるが……
結局は、片付いた後でこちらにも斬り掛かってくる。仕方ないなぁ、もう……
こちらも一発急所に入れば倒れてしまうような状態。余裕は無い。
敵地のど真ん中で全員気絶したりすると、また永遠に脱出不能という事態にも成りかねない。
油断せず最後まで徹底的に戦い続けるのが、彼らの戦士としての誇りに報いる道であろう。
夜が明け、午前１０を過ぎた頃、バンドオブボーンズは全滅していた。
敵対関係でも無いのに、好き好んで戦いを選び、命を落とした……
彼らはシェクとして満足して散っていったのだろうか？
「生き残るための穏健派」が国家を主導している現在、シェク王国では彼らのような武闘派は不満を抱えて生きている。
戦いの中で死ぬ事こそが彼らの伝統。せめて彼らが最後に幸せであった事を祈ろう。
だからして……
蜘蛛に食われて終わる末路ではなく……
我々から治療を受け、剣を握れる状態で戦って死ぬ道を選ぶ方が、彼らのためではあったのだろう。
この村の名は「グレイフレーヤーの村」。
本来はグレイの勢力本拠点だったのか。
ハウンズが滅んだ後、グレイの本拠地はシャークの町に移っていた。
引っ越し後の空き地をバンズが乗っ取ったという事なのだろうか……
では、グレイフレーヤーはどうなったのか？
もう少し旅を続け、シャークの町へ行ってみよう。
シャークの町の名物、酒場「ダンシングスケルトン」は……閑散としていた。
店主もスワンパーに変わっている。
ハウンズの後釜に座ったはずのグレイフレーヤー達の姿は見当たらない。やはり屈強な衛兵には勝てず、全滅してしまったのだろうか。
では、拠点の建物を見に行こうか……と、表を歩いていると、突然勝負を挑む声が降りかかる。
こいつは…… いつぞや、ビッググリムとの面通しの段取りを行っていた、ハウンズの顔役、「両耳」ではないか！
以前会った時とは、外見が違う……と言うか、性別も男になっている！？
インポートは挟んでいないはず。
まさか、「両耳」と言うだけあって、二人いたのか？！
おまけに、外交ステータス持ちと言う事は、こいつがビッググリムの跡を継いだ、現ハウンズ首領という事か！？
ならば…… 背後から斬るのを卑怯とは言うまいな。
いままで散々数の暴力を浴びせて来てくれたのだから。
我々の関係は、こうなって然るべきであろうよ……
仲間の手足を奪ったお前達には、落とし前をつけてもらわないとな……
元々スワンパーの衛兵との戦いで傷ついていたため、あっさりと死んでしまった。
死体を抱え上げたはいいが、どこに突き出そうにも、そもそも賞金すら掛かっていない。
目立つように都市の中央に遺棄し、そのまま立ち去る事にする。
結局、犯罪組織の中で最後まで残ったのはブラックシフターの連中だけか。
以前死にかけていたディーラーも治療してやった甲斐あってか、元気に復職している。
酒場も相変わらず繁盛しているようだ。
トゲトゲモヒカン頭のたかり屋の姿が見えないのが気になるが……
あいつの事だ、きっとどこかで惨めに野垂れ死んでしまったのだろうな……
さあ、本来の目的、商品の売却を終えてしまおう。
っと……やれやれ、相変わらずのモンスターの乱入で落ち着いて交易も出来やしない。
倒れた衛兵の治療だけはしてから去るが……
この町もいつまで持つやら……
相変わらずのモンスターランドっぷりに心配になりつつ、帰り支度を始める。
ちなみに、(元はハウンズの本拠点だった)グレイフレーヤーズの拠点であるスワンプドームは無人になっていた。
空き物件と化したこのドームを買えば、この地を牛耳るのは我々メッメ堂座、という事になるのだろうか……？
まあ、そんなつもりは毛頭無いが……
シャークの町から悪しき犯罪組織の魔手がほぼ淘汰されたのを見届け、今回の旅を終える事にする。
そして、ユキ達が町を出発する頃……
ハウンズ最後の首領が、哀れな末路を迎えようとしていた。
続く。
