そもそも、ダイアログチャレンジとは、なんぞや? ……という人もいるだろう。
ダイアログチャレンジとは、Kenshi日本公式が、翻訳更新の大型アップデートを記念して、2021/12/14から、2022/01/17まで開催していた企画である。
「Kenshi」日本語改良版リリース記念イベント:「ダイアログ・チャレンジ」
大雑把に言うと、「新しくなった翻訳文を見て回ろうぜ!」との趣旨で、「短い時間で20の項目にチャレンジしよう!」というものである。
ゲーム内時間で50日、もしくは100日以内に、20の項目をより多く、より早く達成したプレイヤーにサイン入りビークシングTシャツ(限定ホワイトカラー)をブレゼント、という賞品も用意され、界隈が騒然となる。
で、ここで思うのだが……
運営は、Kenshiガチ勢の能力を甘く見ていたのではないか、と……
※以下、私の憶測による部分も多分に含む
「20の項目をより多く」「特定の項目を達成した場合ダブルスコア」と、「50日で周り切るのは難しい」と考えていたようなフシが見受けられる。
少なくとも、20個全て達成するのは当たり前の事……だとは考えていなかったのではないだろうか?
当然、勝負はスピードランの様相を呈してくる。
当然、これは運営の想定していた事態ではない。
ガチのRTA競技のような企画を考えていた訳ではなかったはずの運営は、本来の「新しくなった翻訳を周知するイベント」として軌道修正。
12/28にルールを変更。
・参加者全員から抽選
・タイムアタック1位の人は当選確定
……という内容になった。
※引用
この企画は「Kenshi」の世界を『探索』して頂く事に主軸を置いていたのですが、効率化やスピードでの競争になりかねないという指摘を多数いただいたため、最終的に誰にTシャツを贈らせて頂くかという方法を変更させて頂きます:
本気で走っていたプレイヤーの中からは、運営に反感を持つ者も現れたが……
本来の企画意図(仮)からすれば、ガチの勝負イベントになってしまって、参加者が減ってしまうのは困るのだ。
ただでさえプレイの全行程を録画して投稿しなければならないという敷居の高い企画なのだ。
「10日切れないなら、参加する意味ねーじゃん」となってしまっては、イベントの意義が失われてしまうだろう。
タイムアタックTOPの1名 + 抽選6名
という狭き門ではあるが、ワクワクしながら参加する事の出来る企画に軌道修正された訳で……
個人的には、この修正は歓迎すべき事だと思っている。
チャレンジは、100日以内の部、と、50日以内の部、に分かれており、
50日以内に終わらせれば抽選率2倍となる。
また、当然、多くの項目を達成する程、当選率が高くなるように設定されている。
つまり、タイムアタックに挑まないのであれば、50日以内に20のチャレンジを終わらせる、というのが、「やっておくべき事」となる。
さあ、ここからが本題だ。
ダイアログチャレンジ、20の項目
※公式ブログから引用
- ダスト・キングの塔にいる囚人を見つけ、会話し、仲間に入れよう
- 光のランタンをキャラバンから購入しよう
- 大学に赴き、学者たちや学術本からこの世界の歴史を学ぼう
- 皇帝に話しかけてみよう
- レッドと会話し、仲間に入れよう
- スワンプのドクターと会話し、仲間に入れよう
- モールの置手紙を探そう
- トーナメントに参加してみよう
- 都市連合の都市に麻薬を密輸してみよう
- 但し、門衛のいる都市のみに限ります
- 町の外で、吟遊詩人の歌を聴いてみよう
- 祈りの日の訪問を受けよう
- 徴税人の訪問を受けよう
- 特別なヤギを購入しよう
- ブルーアイズの懸賞金を得よう
- 会員制のトレーダーズギルドについて、担当者に話を聞いていみよう
- 反奴隷主義者のリーダーに話してみよう
- スパイダーが大嫌いなキャラクターとアラックを旅してみよう
- 長老と呼ばれる者を探して、会話してみよう
- 背中の曲がった爺さんを仲間に入れて、旅に出よう
- セトを仲間に入れよう(ダブルスコア)
知らない人から見ると、よく分からない項目も多くなっているが、Kenshiに慣れ親しんだプレイヤーからすると、どれも「ああ、あれか」と分かるようになっている。
その辺り、変換してリスト化すると、こうなる。
①:ダスキンタワーでキャットの檻を解錠する
②:ランダム生成されるハイブキャラバンからランタンを購入
③:ワールドエンドで書籍を見る+NPCから話を聞く
④:ヘフトで皇帝テングと会話
⑤:バークでレッドを仲間にする
⑥:マッドタウンでドクターを仲間にする
⑦:孤立した小屋でモールの手紙を入手
⑧:大陸南東方面でクラブトーナメントを発生させる
⑨:ハシシを都市連合の(門番のいる)町の中に持ち込む
⑩:ホリネでバード(詩人)を仲間にし、一緒に旅をする
⑪:ホリネ領内でランダム発生するお祈り訪問を受ける
⑫:都市連合領内でランダム発生する徴税訪問を受ける
⑬:モングレル西の村でユニークヤギ2種のどちらかを買う
⑭:モウンでブルーアイズを檻にブチ込む
⑮:ヘングでヤムドゥに同盟を持ちかける
⑯:スプリングでティンフィストと会話する
⑰:シャークでミウを仲間にし、アラックまで連れていく
⑱:アイアン指揮所で長老と会話する
⑲:モングレルでジョン爺さんを仲間にする
⑳:アドマグでセトを仲間にする
ルール
何でもあり、と言う訳ではなく、以下のルールが存在する。
・プレイ開始時のキャラクターが死んだ時点でチャレンジ終了。(犬一匹スタートの犬は例外)
・どのチャレンジも、開始時キャラが達成することでクリア判定になる。
・全MODを外したバニラ状態、デフォ設定でスタート。
・開始職「放浪者」「ハイブ逃亡者」「隊長の息子」「どん底」「帝国の市民」「ホリネ市民」「犬一匹」
・リロードは50日間チャレンジの場合2回まで、100日間チャレンジの場合3回まで。
・ 何回かに分けてプレイする際のセーブ・ロードはカウントされない。
・但し、クラッシャやバグ等によるリロードはカウントされない。
・グリッチによるスキル上げは禁止。
各項目の達成方法等は、次回以降に詳しく解説するつもりなので、詳細は省くが……
グリッチ(いんちき)は禁止、という曖昧な表記のルールもあり、
この20項目、達成判定が曖昧なものが結構ある。
例えば、「トーナメントに参加してみよう」だが、
・クラブレイダーが拠点を見つけ、クラブトーナメントの開催を叫んだ時点
・予定表にトーナメントが表示された時点
・クラブレイダーのトーナメント部隊が出撃した時点
・トーナメント部隊が到着した時点
・トーナメント部隊と交戦開始した時点
・トーナメント初戦の終了が告知された時点
と、解釈次第でかなりの幅を持つ事になる。
「都市連合の都市に麻薬を密輸してみよう」に関しても、
・都市内に普通に持ち込んだ時点
・密輸チェックをすり抜けるための会話が出た時点
・売却した時点
と、達成判断に困るし、「バックパック内に隠して判定を消して持ち込む」のはいいのかどうか、という疑問も出てくる。
「光のランタンをキャラバンから購入しよう」に関しては、
・予め買っておいたランタンをキャラバンの荷物にねじ込んでから購入する
という手法を考案したプレイヤーがいたものの、運営に質問し、それはアウトだと判定されている。
「背中の曲がった爺さんを仲間に入れて、旅に出よう」に関しても、どこまで同行させれば「旅に出た」とみなされるのかハッキリしていないし、
「学術本」や「モールの手紙」も、アイコンを画面に表示すればいいのか、内容を表示すればいいのか、インベントリ内に一度入れる必要があるのか、等、細かい部分が分からない。
こういう場合、グリッチの範疇に含まれるのか?
という判定を確かめる手段が、逐一公式に質問してみる他なく、
確かめた内容に関しても、告知ページに追記される事はないので、各自でツイッターを監視してルールを記録しておかなければならない。
ツイッター質疑応答集
(抜けあったらごめんなさい)
Q:クラブトーナメント開始の会話が出る前に戦闘開始。そのまま終了。これで達成?
A:トーナメントは始まっている(参加している)ので、達成
Q:開始時キャラ以外でキャットを助けたが、開始時キャラがその場にいた場合は?
A:開始キャラがその場にいるならOK
Q:ワールドエンド大学の項目の達成条件は?
A:中にいる学者と話す、学術本を一冊読む、どちらかだけでOK
Q:ランタンはキャラバンから買わないとダメ?
A:キャラバンからだけ。村ではダメ。
Q:ユニークヤギは二匹いるけど……
A:どちらでもOK
Q:ミウのアラックの達成条件は?
A:ミウのアラック固有ダイアログが確認できたらOK
Q:奴隷を暗殺してスキル上げするのは?
A:グリッチ
Q:ハシシ密輸はシノビに売却してもいい?
A:都市連合の衛兵をやり過ごすのがゴール
Q:モールの手紙は「ダイアログ」ではないけど……
A:手紙を取得すれば達成
Q:盗みがバレた時、一時停止して盗みを繰り返し、強引に奪取するのは?
A:グリッチ
いかんせん、個別にどんな行為がグリッチ扱いされるかは分からないまま。
総じて、開催者側の準備不足により、「萎えた」と発言する者も出てくる事態となってしまった。
しかし、これまでの経緯を見る限り、おそらく、「Kenshiの日本公式」というのは、極小数人、もしくは、一人だと考えられる。
インディーズを通り越し、おそらくは、個人レベルで開催された企画なのだ。
あまり多くをの望みすぎるのは酷というものだろう。
最初からルールがしっかりしていた方が良かったのは確かだが、仕方のない所だったのでは、と思っている。
動画で記録して投稿しなければならない、という敷居の高さも、結果的に、(私のように)動画投稿を始めるきっかけとして機能しており、ただ主催者側に動画を渡すだけでなく、生配信したり、ニコニコやYouTubeで一般公開したりと、Kenshi界隈を盛り上げるのに一役買う効果が出ている。
なにせ、深夜時間帯とは言え、有名配信者が参戦した事で、ツイッタートレンドにKenshiが入るという珍事まで発生したのだ。
悪い事ばかりではなかった。
色々とあやふやで、バタバタしたスタートではあったものの、この企画自体は大変面白いものだった。
普段とは違う目線、違う解法でゲームと向き合う体験は、とても有意義なものだった。
今後、レギュレーションが整理され、走り続けるプレイヤーが出てくる事を祈りたい。
それくらいには、楽しかった。
と、言う訳で、次回は、チャレンジ項目に関して、何度かトライしてみた後の備忘録を記事として残しておく事に。
(3)は、うーん…… 「20のチャレンジに挑む!」編 かな?