第二帝国はついにエキニャンをも飲み込んだ。
ホーリーネーションも滅亡寸前。
既に間を遮る物も無い。いよいよ第二帝国と連邦三国の直接対決の時が迫っていた。
Kenshi VS ステラリス その11「人類は愚か」
※ 今回は内容が長いため、駆け足箇条書き気味で進めます ※
ボーダーゾーン星系・ハブ星にて、次元ポータルが見つかった。
過去の観測記録上にある通り、交易量と快適度ボーナスが増えたり減ったりするだけのようだ。
幾つもの艦隊が押し寄せてはいるのだが、空爆を行っているのはごく少数の艦隊のみ。
多くは首都を遠巻きにして星系に留まるのみ。
首都に向かう艦隊もいるのだが、行ったり来たりを繰り返すばかりで時間を無駄にしている。
フラッドランド星系・バーンの塔星で、「催淫性大気」が発生する。
多くの新規開拓地を得た今、人口増加に繋がるのであれば歓迎すべき事だ。
人口増に繋がる施策を続けて打つ。
幸い、資源面で厳しい状況でも消費財に関しては余裕がある。
戦艦が完成。
消耗戦では勝ち目の無い当方では「沈まず生き残る」事が大切。
今後は戦艦を主軸に生産して行きたい。
旧エキニャン領の混乱は続く。
スペクター型リバイアサンが宙域を食い破り、連邦国がその穴を埋めていく。
首都の隣に存在するゲートウェイの再建が可能となるが……
打って出る事が出来ない当方では優先度が低い。これを見送る。
ワームホールの現地調査が完了。
2つ目は旧エキニャン領のど真ん中に。
当方の戦力で戦時に反撃が出来るとも思えない。
やはり、今の所有効活用は出来ないだろう。
どういう訳か、旧エキニャン領を暴れまわっていたリバイアサンが動きを止める。
恒星にピタリと張り付き、以後移動しなくなった。
そのため、第2帝国領荒らしも収まり、空白地は生まれなくなった。
パカリ、エルゾ、両国からの敵意が限界まで高まる。
領土要求も飛んで来ている。
そろそろ、モングレルが平穏を保てていられるのも限界かもしれない。
必要な技術を次々と解禁。
これからはロボット労働者が必要となると考え、重点的に研究を進める。
首都星モングレルの人口が80億人に到達。
首都機能も増強された。
以降は職にあぶれた者が出たら、片っ端からリングワールドに移住させよう。
連邦の気になる所だが、まだ軍事より「繁栄」を重視。
これで「繁栄」は極めた。
義肢に換えればパワーアップ。剣士の常識。サイバネティクス技術も獲得する。
パカリは降下兵を用意しているが、投入する気配は無い。
一体どういう判断なのか。
と、限界が訪れたのか……
ホーリーネーション滅亡
戦争疲弊度が限界になり、強制和平が発動し、領土割譲で全てを失った、という事か。
この銀河もえらくさっぱりしてきた。
ホーリーネーションが滅亡した事で、残る勢力は……
・銀河連邦:エルゾ、パカリ、都市連合
・第二帝国
・モングレル
この3つ。
と、なれば、次に獲物にされるのは当方である可能性が高い。
真っ当な判断力があるなら、当方と組んで第二帝国に立ち向かうだろうが……
今までの動きから見て、残念ながら奴らがそう動くかどうかは相当怪しい。
3つ目のリングワールドが完成。
モングレル領を通過して、ホーリーネーションを攻撃していた艦隊が各々帰還していく。
個々の艦隊の戦力値は高くないが、とにかく数が多い。
今後はこの戦力を当方の仮想敵と考えなければならない。
あるいは、第二帝国を。
いずれにせよ、勝ち目は無い。
ああ、悪い予感がする……
予感は、的中する。
連邦、モングレルに宣戦布告。
都市連合が当方に対して親密であるため、開戦に対しては反対してくれるだろうという僅かな希望はあったが……
都市連合が当方に対して親密であるため、開戦に対しては反対してくれるだろうという僅かな希望はあったが……
そうであったとして、多数決で宣戦が決まってしまうだろう。
ああ、やはり人類は愚かだった。
これでおそらく…… 当方と連邦との戦争中に、後背を突く形で第二帝国が仕掛けてくるだろう。
今日、この時をもって、人類の滅亡は既定路線になってしまったのではないだろうか。
科学国家であるパカリ研究院が、まさかここまで好戦的だったとは。
パカリ国家元首・クロト。この宇宙では乱世の奸雄の類であったか。
……いつか来ると覚悟はしていたが、やはり想定が甘かった。
当方は連邦三国に対して国境を解放していた。
この状態で宣戦布告を受けると、こうなるのか。
敵軍を領内に配置した状態での戦闘開始……
だが、小規模艦隊が散らばっている今の状況は、むしろチャンスだ。
当方はモングレルの主力となる2艦隊を即座に投入。応戦を開始する。
ホーリーネーション最期の粘りを見習おう。
叩ける敵だけを、次々と叩いていく。
包囲攻撃を受けている状態ではあるが、今の所、個々の戦いでは圧倒出来ている。
まずは、2つの主力艦隊の合流を目指す。
こちらは戦力の集中運用で被害を最小限に留め、散漫な敵戦力の各個撃破を続け、粘る。
戦略的に考えれば絶対に勝てない戦いだが、戦術面の勝利を積み重ね、最小限の被害で戦いを乗り切ろう。
何せ、国力が違う。敵は無尽蔵に艦隊を送り込めるだけの余裕がある。
しかも、敵の侵攻ルートは数え切れない程に多い。
首都周辺宙域…… とりわけ、サイブレックスアルファは死守しなければ。
旧ゾンビ領である東方宙域はある程度諦めざるを得ないだろう。
エルゾへの備えと考えていた東の小要塞はまだ戦力に数えられる段階ではない。
北のワームホール対策兼・交易価値回収のために用意した要塞と……
南への備えとして防備を固めたヴェインは維持したい所だ。
戦力を集中し、各個撃破をするという事は、それ以外の戦線を捨てるという事だ。
逃げ遅れた調査船・工作船が破壊され、貴重な人材が失われてしまった。
体内に敵を抱えた状態の宣戦布告でなければもう少しなんとかなっただろうに……
連戦連勝。
今の所は最低限の損害で勝ち続けられている。
戦況は概ねこうだ。
まず首都近辺の全戦力をまとめ、15000程度の艦隊を作り、この戦力で敵艦隊を各個撃破。
次に、東方の三艦隊を合流させ、要塞を守りの要とし、進出してくる敵艦隊を叩く。
この戦略で行く。
互角の戦いは絶対にしてはならない。
こちらに艦船建造の余裕はそうない。
……結局、戦闘を避け続ける他国の戦い方と似たような動きにならざるを得ないのが悲しい所だ。
ロボット開発は一旦停止。
戦争関連の技術を優先するよう切り替える。
緒戦は上々。
戦力を集中運用し、勝ち続ける事は出来たが……
その分、敵の少戦力による領域荒らしが成立してしまう。
当方は、修理ドックのあるヴェイン星系基地からあまり遠くまで動き回れないという制限がある。
戦力の一点集中を続けにくい流れになって来た。
それからも各個撃破は続いていくが……
次第に当方の戦力は摩耗していく。
生産をコルベットと戦艦に絞り、急いで前線へと送り出す事になるが、いずれ合金は尽きる。
どこまで持ちこたえられるか。
敵の宙域荒らし艦隊を撃滅。
が、しかし、この戦力では侵出して来ている敵の4400艦隊には立ち向かえない。
敵は当方の主力艦隊を振り切り、ついに首都周辺星系にまで踏み込む。
本土空爆という屈辱を受ける事となった。
反撃の体勢が整うまでは、甘んじて空爆を受けよう。
この数の敵艦隊に対しては、全戦力を投入しなければなるまい。
ここが1つの山場となるだろう……
そろそろ、対エルゾ戦線にも敵艦隊が姿を現し始めている。
入植のために送り込んだ移民船がこのままでは危ういが……
このタイミングで最後のテラフォーミング計画が完了。
即時入植。
戦時のため、命名式は後回しとなる。
侵出して来た敵艦隊は、シノビ星系の空爆のため、そこから移動しなくなった。
今がチャンスと、当方の主力艦隊をヴェイン基地で修理し、決戦の準備を進めているが……
南方から新たな敵主力艦隊8600が出現。
ここで消耗してしまうと、シノビ奪還の戦いは、より厳しい物となるだろう。
最悪、勝てなくなる可能性も。
ならば、今ここでシノビ星系での決戦を優先すべきか。
一旦、ヴェイン要塞を放棄。
主力2艦隊を正面からシノビ星系の敵にぶつけ、同時に反対側からパトロール艦隊も向かわせる。
この戦の第一の山場、シノビ星系奪還作戦が始まる。
勝った。
勝ったはいいが……
想像以上の大損害だった。
当方の技術が他国より優れている訳ではない。
戦艦の配備も間に合わなかった。
数値で勝っていたとて、こうなるのは当然か。
新造艦と合流させつつ、急いで修理に向かわせる。
と……
油断した。
対パカリ戦線、「隠された森」星系の警備艦隊3300が、同規模の敵艦隊と正面衝突してしまった。
たとえ同等の戦力同士の戦闘で勝てたとして、戦い続けるべきではない。
それどころか、次第に押し負け始めている。
ここは、緊急離脱する他無い。
一時撤退し、味方と合流して反撃。
そのためには、これ以上損害を大きくする訳にはいかなかった。
そうして、モングレル領最辺境、「隠された森」星系は敵の手に落ちる事となった。
辺境方面で隠された森が陥落したが、戦力を北の要塞に集め終え、10000程度の戦力になった。
もうじき新造戦艦も発進する。反撃はそこからだ。
首都周辺宙域でも戦力の集中が終わった。
こちらも、反撃は修理と新造艦を待ってからだ。
しばらくは耐える時間が続くだろう。
敵艦隊は難なく艦隊不在のヴェイン要塞を落とし、空爆を開始する。
奪還の際には、敵の手に落ちた要塞も戦力に計上しなければならない……
ここで、モングレル全国民の遺伝子強化計画が実行可能となる。
即効性を見込めるのは、兵器開発力の加速が見込める「工学者」の才の獲得だろうか。
北西、エンシェントラボ方面宙域にも敵艦隊が出現。
大艦隊ではないが、今ここに迎撃に向かう事は出来ない……
ヴェインに敵艦隊が続々と集結。
「互角の戦力」では決戦を挑めない。現時点での奪還は不可能だ。
今は我慢の時……
出てくる小規模戦力のみを叩く。
おっと、いかん、3600の敵を叩くつもりが、5000の後続がついてきた……
速攻で3600艦隊のみを叩き、慌てて撤退。
やはり、この物量差はいかんともし難い……
このままでは損耗の補充が間に合わない。
市場から鉱石を買い取って10000を確保し、遺産を発動。
合金5000を捻出する。
次第に、雲行きが怪しくなってきた。
今度は、パカリ領から新たな大艦隊が迫る。
ジリ貧とはまさにこの事か。
個々の戦闘では連戦連勝ではあるが、次第に包囲が狭まり、国土を焼かれている状態だ。
カニバル平原も既に制圧されてしまっている。
ようやく陣容が整い、北要塞に集中した辺境艦隊を動かし始める。
勝てる敵とだけ戦い、次々と星系を奪還して行くが……
国境の向こう側には、まだまだ新たな敵艦隊が控えている。
やはり、この戦いに勝ちは無い……
ヴェイン星系に対する空爆が始まる。
更に、敵の降下兵による地上攻撃が始まる。
際どい戦いだったが、なんとか防衛に成功。
地上の制圧は免れた。
流石、ウェスタンと間違えてサザンと名付けられただけの事はある。
北方の辺境艦隊では艦隊を全集中させず、二手に分かれて星系奪還を続けている。
修理ドックがあるためか、ヴェイン星系にはますます敵艦隊が集中。
近寄る事も危険な状況だが、出てくる敵の各個撃破には成功している。
周辺星系の奪還だけは繰り返しつつ、勝機を待つ……
そうこうしている間に、新規開拓地の1つ、ボーダーゾーンに攻め込まれてしまう。
離脱に失敗した調査船が撃沈され、また科学者から犠牲が出てしまった……
エンシェントラボ星系も陥落。
いよいよもって、領域全土が炎上していると言っていい状況になってきた。
東方戦線は、要塞を要とし、周辺宙域を奪還……するだけの戦いに留まっている。
勝ってはいるが、イタチごっこが続くばかりだ。
と、ここで、国境の異変にようやく気付く。
いつの間に…… 見落としていた。
第二帝国、参戦。
やはり、第二帝国も交戦状態となっていたか。
戦争に集中するあまり、報告を見逃していたか。
やれやれ、まさに漁夫の利だ。
スコアで見れば、計42000 vs 20000。
本来なら勝てる戦いだっただろうに。
被害を受けているのは、主に都市連合領。
既に国土をズタズタに引き裂かれている。
リバイアサンの生み出した飛び地も喪失。
ワームホールによってエルゾ辺境にも侵食が始まっている。
当方にとってはありがたい挟撃ではあるが……
人類にとっては破滅の始まりだ。
果たして、初動対応に失敗し、大打撃を受けた連邦は戦線を立て直す事が出来るのかどうか。
終戦への道は、未だ見えていない。
この戦力差で4:6の勝負に持ち込めているだけ御の字だろうか。
第二帝国の参戦を機に、なんとか持ち直し、国土を奪還してから停戦にこぎつけたい所だ。
やはり、挟撃への対応で敵も焦っているようだ。
目の上のタンコブだったヴェインの敵戦力8000が南方に後退。
今がチャンスだ。
主力艦隊を突貫させる。
この戦いの第2の山場、ヴェイン奪還作戦の開始だ。
敵前衛艦隊を蹴散らし、ヴェイン星系へと突入する。
国土の三割を焼かれながら、戒厳令下のヴェインはよく耐えてくれた……
待たせたな! 今行くぞ!!
戦力差は大だった。損耗は出たが、艦隊戦に勝利。
ヴェインの奪還に成功。
辺境宙域でも終わらない星系奪還戦が続いている。
戦艦の配備移行、損耗度も少なくなっている。
いい傾向だ。
2つに分けた艦隊を結集させ、辺境方面の敵艦隊、その第一波を完全に叩き潰し終える。
対エルゾ戦線から後退して来たパトロール艦隊も、ここで反転攻勢に出る。
エンシェントラボに居座る敵艦隊を叩ける戦力ではないが、奪われた領域を奪還するくらいの戦いは可能だ。
同時に、奪還したヴェインを軸として南方の領域も回復していく。
いい流れが来ている。
このまま一定の領域を奪還した所で停戦に持ち込めれば良いのだが……
都市連合のダメージは、既に壊滅的被害と言っていいレベルになっている。
一刻も早く停戦し、あちらに集中すべき所だろうが……
宣戦布告したのはパカリだ。
今の所パカリに被害は無い。停戦が成立するのはまだ先の事かもしれない……
こちらの疲弊も大きい。
空爆を受け続ける最辺境「隠された森」は、既に国土の半分を焼かれている。
辺境方面の戦いは連戦連勝だが、南下して隠された森を奪還に向かう事は不可能だ。
修理ドックの無い宙域を横断し、長駆遠征をする事は不可能だろう。
しかも、敵造園に8000規模の艦隊が出現。
ああ、なんと愚かな…… それは今、都市連合を救うために使うべき戦力だろうに。
首都周辺が安定したため、ボーダーゾーンの奪還に戦力を割く事が出来た。
ボーダーゾーン奪還の後、分遣艦隊は北上。
辺境要塞艦隊との合流を目指す。
辺境北辺を悠々と進む敵艦隊。
突入したい気持ちをグッと抑えつつ、敵がバラけるのを待つ。
分散した時を見計らい、突撃。
よし、敵主力はこちらに向かって来ず、そのまま西に抜けた。
残る艦隊を叩くのは難しくない。
南方では主力艦隊が活躍し、全土奪還に成功。
このまま停戦出来れば良かったのだが、残念ながらまだ応じてはもらえない。
隠された森は、九割を焼かれている。
今次の戦いでの奪還は諦めざるを得ないだろう……
戦争は、当方の粘りにより、次第にゲージを押し戻す流れになってはいる。
このまま敵が第二帝国との戦いに集中してくれれば、綺麗な形で決着出来るかもしれない。
が、しかし……
やはり、人類は愚かだった。
連邦は艦隊を当方に投入し続ける。
ヴェイン方面は散発的な小艦隊による領域荒らしに留まっていたが……
東方、辺境域には引き続き本気の攻勢が続いている。
ついに、今まで見逃されていたフラッドランド星系も落とされてしまった。
エンシェントラボに駐留するエルゾ艦隊も、動く気配は無い。
更に、油断から領域荒らしの艦隊と激突してしまった軍司令ウィンワンの新造艦隊が全滅。
観測者の加護を受けているウィンワンは転生が可能だが、培った経験と艦隊戦力は戻って来ない。
これは大きな痛手だった……
辺境戦線も、長引く戦いによって損耗を続けている。
カニバル平原の奪還には成功したが、無傷とは行かなかった。
一方で、敵の増援は止まる気配が無い。
当方の造船資源の枯渇は近い。
粘り負けるのはこちらだったか……
そして、ついに……
全てを焦土へと変えられた「隠された森」を、敵降下兵団が襲った。
耐えられるはずもなく、隠された森はついに完全に占領されてしまった。
ここに来て、敵少数艦隊による領域荒らしは勢いを増す。
せっかく奪還した南方宙域が次々奪われ、火消しに追われる事となる。
戦艦を有する当方の艦隊の足は遅い。
敵に振り回される形で追いかけっこをせざるを得ず、艦隊を分けて対応する必要に迫られた。
数としては脅威では無いが、実に鬱陶しい、いやらしい攻撃が続く。
また、不幸な事故も起きてしまった。
相手の領域荒らし同様に、単艦で奪われた星系の奪還を行っていた発掘巡洋艦が、索敵漏れのため敵艦隊に補足されてしまった。
ビープ提督からこの艦を任されたキャット提督は、大きな戦力差があるにも関わらず、よく耐えてくれたが……
緊急離脱まで持ちこたえる事はできず、ここで命を落とした。
辺境と首都方面を繋ぐエリアに、エルゾの増援が出現。
これは大変よろしくない。
ええい、エルゾめ、そんな事をしている場合か?!
お前の国土も脅かされているだろうに!
都市連合は文字通りバラバラに砕け散ってしまった。
首都星系周辺を奪われている以上、元の国力を取り戻す事は難しいだろう。
なんと間の悪い事に、ここでパカリが停戦を呼びかけて来る。
せめて辺境と繋がる回廊が維持出来ていれば応じないでも無かったのだが、このままの停戦は流石に苦しい。
もう少し粘らせてもう事とする。
星系の奪還を続けつつ、侵出して来たエルゾ艦隊の隙を伺う。
だが、当方にはその機を待つだけの時が無い。
強制停戦の時が近付いている……
戦果はどうか。
敵艦隊、撃沈130。
当方、撃沈38。
戦闘には勝っているが、やはり、戦争には負けた。
なんとか可能な限り綺麗な負け方に整えたいものだ……
敵降下兵団、隠された森を落とした後、続けてフラッドランドも陥落させる。
艦隊を分散させた甲斐があり、逃げ回っていた国土荒らし艦隊を補足。
追い込み、挟撃する形でこれを叩く。
やれやれ、まったく余計な手間を取らされたものだ。
次からは足の速さを得意とする分遣艦隊もセットで編成しておくべきか……
長引く戦争の影響からか、当方の「平和主義」にうんざりした新派閥も生まれる。
この派閥がもっと早く生まれてくれていれば、平和主義を放棄し、もう少しは上手く立ち回れていただろうか……
辺境の宙域奪還と、艦隊各個撃破が続く。
延々と続く波状攻撃に耐えるのが精一杯で、東西街道を取り戻す所まで進めない。
もどかしい防衛戦が続く中……
ついに、強制停戦が発動。
和平が成立してしまう。
南東を大きく削り取られ、「隠された森」が奪われた。
エルゾからは惑星こそ奪われていないが、結局東西を結ぶ道を断たれたままの停戦となり、かなり苦しい幕引きとなってしまった。
あちらからの停戦要求に応じた場合よりかは、小さい被害で済んだ……
それだけが救いか。
こうして、モングレル史上初の大戦争は幕を閉じた。
もう少しくらい上手くやれただろうという、苦い敗北……
ダメージは大きい。
ここから、生存の道はまだ残されているのだろうか?
都市連合は壊滅状態に近く、エルゾも少しずつ領土を奪われつつある。
事ここに及んでさえも団結できない愚かな人類は、このまま滅ぶしか無いのだろうか……
<続く>