シェク王国、ゾンビ、地球帝国、そして自由ラクサラ国が滅亡。
ホーリーネーションと第一帝国もまた、連邦に国土を焼かれ続け、滅亡寸前の状態となっている。
人類同士が相争った挙げ句の自滅、と言える所も多かったが……
モングレルとパカリで共同で攻撃したゾンビ以外、殆どが第二帝国による被害と言っていい。
既に、「断固たる殺戮機械」第二帝国に対抗し得るのは、エルゾら銀河連邦の力のみとなった。
唯一無事な銀河2大勢力 "以外" の国となった我らモングレル。
果たしてこのまま喰われずに生き延びる事は可能なのか……
Kenshi VS ステラリス その10「崩壊と、息吹と」
2327/01
エネルギー通貨5000を消費し、2つ目……サイズ16の惑星をテラフォーミング。
「ようやく着手が可能となったテラフォーミング計画に、リングワールド再建……」
「当面は内政で手一杯じゃぞい」
「最早、資源を一定量キープ、などと言っている場合ではないな。
悪いが、ウィンワン、艦隊増強の手も緩めねばならん」
「背伸びして無理をするよか、そっちの方がいいんだろうぜ。
ま、そこは任せるぜ」
合金を更に絞り出す。
モングレルの持つ国力をフル稼働し、国内の新天地開拓に全力を挙げていく。
付け焼き刃の戦力増強では連邦に追いつけない。
ならば、地力を伸ばして堅実に力を伸ばしして行く他無いだろう。
2327/02
都市連合に占領され、最後の抵抗を続けていた第一帝国がついに滅亡。
共に滅亡寸前だったホーリーネーションだが、こちらはなんとか完全消滅を免れている。
パカリがホーリーネーション領を、都市連合が第一帝国領を奪い、それぞれ国力を伸ばす形となった。
ここから先は、おそらくモングレルは連邦三国より下位に甘んじる事となるだろう。
「ホーリーネーションは首都星1つと、隣の星系1つを残すのみの状態になっています」
「末期的な有様じゃぞい……」
「停戦期間が明ければ、即座に再侵攻を受けるだろうぜ」
「ホーリーネーションの残存戦力は1600程度。 次の戦いではもうまともに戦えんか……」
これで都市連合は周囲の敵を完全に消し終えた。
ここからは第二帝国の脅威に立ち向かっていく事となる。
その、気になる第二帝国の動きだが、今の所まだ北方の国境線に変化はない。
衰えたとは言え、元々は勇猛果敢な軍事帝国のエキニャンだ。意外に健闘しているのだろうか。
2327/03
リングワールド再建、2ブロック目に着手。
隣接するリングワールド1は既に建築を終えている。
後は移民船の到着を待つばかり。
2327/08
モングレルの技術発展には、妙に偏りがあったが、基礎的な国力強化となる技術がここに来てようやく次々と解禁され始める。
同月、2327/08
移民船団がリングワールドに到着。
この地を「アッシュランドドーム」と名付ける事にする。
2329/04
外交的侮辱や国境閉鎖等、エキニャンからの敵対行動が続く。
「なんちゃらの遠吠え、じゃぞい……」
「まあ、そう言うな。どうしようもなく追い込まれた末の叫びなのだからな」
「明日は我が身だぜ……」
2329/05
長らく着手していなかった、開拓力強化の技術の獲得に乗り出す。
「しばらくは開拓続きだからな、これは今必要な技術だろう」
「得られる入植加速効果がとても大きいですね。良い判断かと」
2329/05
パカリからの外圧が更に高まる。
滅んだ国に回されていた外交特使をモングレルへと回し始めたのか。
資源外交はやはり無駄に終わったようだ。
2329/07
テラフォーミング惑星第一号計画が完了する。
作業完了を待っていた移民船団を直ちに降下させ、この地を「カニバル平原星域・デッドキャット星」と名付ける。
2330/08
リングワールド=アッシュランドドーム1への入植が完了。
「惑星サイズ5と聞いた時には少々落胆したものだったが……」
「我々が何も手を付けていない状態で、既に住居23が確保されている状態です」
「流石は太古の理想世界じゃぞい」
「見た目以上の底力を持った居住地となりそうだな」
2330/11
更に、惑星テラフォーミング計画3号に着手。
資源は消し飛んで行くが、ここは迷わず開拓を次々進めていく事とする。
2331/04
エルゾからの外圧も、かつてないレベルに高まる。
次の宣戦布告は、とうとうモングレルとなるのではないかという恐怖。
それに耐えながら、淡々と内政を進めていく。
もう打てる手は無い……
2331/07
モングレル首都星近隣宙域に出現した海賊を退治。
街道警備に回った新任提督モムソーが良い働きを見せる。
一隻の損害も出すことなく、あっという間に仕事を終わらせてくれた。
「地道に装備更新を続けてきた甲斐があったぜ」
「全交易路をカバーするほどの艦隊を編成する余裕が無い……
これからもよろしく頼むよ、ウィンワン」
「おう、俺達宇宙軍に任せとけ」
2331/10
鉱物資源の豊富なモングレルの国力が、更に強化される。
また、ロボット技術の研究も開始可能な段階となった。
「新規開拓地にはとにかく人手が足りない。
ロボットを人材として活用する線もアリかもしれないな」
「アーク様、観測者のデータによると……」
「ああ。あまり効率が良くない事と、万が一のリスクは承知している。
リングワールドと新規入植地の開発計画で鉱石・合金資源も不足している。
判断は保留だな」
2332/01
カニバル平原・デッドキャット星への入植が完了。
ひとまず各地の新規開拓地に対しては、首都星近辺の失業者を送り込み、人員不足を補う事とする。
2332/03
戦況が激変している事に気付く。
内政に集中していたため、ここまで事態が進んでいるとは気付けなかった。
いつの間にか、エキニャンの滅亡が秒読み段階となっていた。
敵本隊が銀河北方まで移動するのに時間が掛かっていたのか。
一度猛威が迫れば、エキニャン単独の戦力では抗いようが無いか。
エキニャンの総戦力は、最後に確認した時点で2艦隊合計・8000程度だったが、第二帝国は1艦隊のみで既に1万を越えている。
2332/04
事ここに及び、ようやく連邦が第二帝国を宿敵と認定する。
遅い。
直接国境を接していないからと、第二帝国を長らく放置しすぎた彼らの怠慢が、銀河の半分を喪失するという今の事態を招いているのだ。
しかし、あちらから見れば当方とて似たようなものであろう。
モングレルは、常に動かない。動けない。
当方からも便乗して宿敵宣言を出せば、「共通の敵」を持つ事となり、連邦との関係が僅かなりと改善出来るのだが……
モングレルにはそれすらも出来ないのだ。
2333/04
エキニャン帝国は最後に残された戦力で果敢に突撃を続ける。
残されたのは戦力値3桁の艦隊が2つのみ、か。
「勝ち目のない戦いに挑んで行くのは、流石は戦闘民族、と言った所だぜ」
「いや、星図上逃げ場が無く、こうなる以外の結末は無かった……と言うだけの事かもしれんぞい」
「身も蓋もない事を言うなよ……」
2333/05
エネルギー、鉱石、合金を限界まで絞り尽くし、更に開拓を加速する。
もう資源外交を行う余裕もない。今はただ、ひたすらにリングワールドの再建を急ぐ。
2333/06
連邦勢力の動きを確認する。
銀河南方、都市連合~第二帝国間は互いに無防備。
今このタイミングで都市連合から侵略を掛けてくれれば……と思うのだが、先方にその気は無いようだ。
エルゾは、28000ほどの戦力をモングレルとの国境付近に集めている。
あれが雪崩を打ってこちらに向かって来たら、もうどうしようもない。
こちらの総戦力はその半分程度しか無い。
どうか、彼らの次の一手がこちらに向かわないように……と、ひたすら祈る他無い。
2334/01
デッドキャット星で幻覚性の花粉が蔓延。
「これは過去の銀河で観測済みの事象だな」
「一時的な混乱の後、全毒性が消え、土地への執着……移住に対する反発が残る、というものですね」
「特に心配する事も無い、か」
2334/04
エキニャン帝国首都、エキニャンコ星系・ニャンスター、陥落。
後は地上軍がどれだけ持ちこたえるか、という段階。
その一方で、エキニャン艦隊は脅威の粘りを見せ、勇猛果敢に敵と戦い続けている。
「いや、待て。何かがおかしい……」
「おお、そうだぜ。あの程度の戦力で、なんでまだ生きてるんだ?」
「都市連合からのセンサーリンクで連邦の視界は得られているな? 映像を出してくれ」
2334/06
エキニャン艦隊最後の抵抗を確認する。
「やはり……」
「棒立ちだぜ?!」
「スケルトン共め、バグでも発生させておるのか?」
無防備で殴られ続けるのみで、全く動きを見せない第二帝国の艦隊。
まさか、この状況から奇跡が起きるとでも言うのだろうか?
いずれ動き出した瞬間に蹴散らされるだけてはあろうが……
2335/02
念願のエキゾチックガス精製工場の研究開発がスタートする。
「ええい、なぜここまで時間を要する事になったのか……」
「他の銀河の観測記録では、もっと早い段階で着手出来ていたようですね」
「これでやっと、発電力と研究力を大きく伸ばせるようになる。
我がモングレルの発展、まだまだこれからと言う事だ」
2335/05
モングレルは更に資源算出力を強化する。
2335/08
偉大な発明により、食料精算力を15%向上。
2335/11
エキゾチックガス精製所の建設が可能となる。
ここまでの停滞が嘘のようだ。
動きを止めていた成長の歯車が一気に回転を加速して行く感覚がある。
2336/02
資源を絞り出し尽くしている事で、デメリットも発生。
今まで中立勢力に共同研究を依頼していたが、通貨不足で契約を続けられなくなってしまった。
仕方あるまい。テラフォーミングが全て終わるまでは我慢だ。
同月、2336/02
モングレル主力第一艦隊が指揮統制能力の限界に到達。
艦隊サイズ60/60 戦力値7168
これが現有艦隊戦力1つ分の限界。
他国が1万越えの艦隊を複数同時運用している一方、当方はこれが限度か。
各地の街道警備に戦力を分散しているため、有事に即時対応可能なのは、主力2個艦隊で1万程度……
宣戦布告だけはなんとか避けたいものだ。
2336/04
リングワールド、2ブロック目の修復が完了。
移民船団を向かわせる。
ここはアッシュランドドーム2と命名する予定だ。
2336/06
デッドキャット星にて、幻覚花粉に続き、有毒ガスが噴出。
「まさか天然のエキゾチックガスが降って湧いて出てくるとはな!」
「まさに天恵。これは慶事じゃぞい!」
「未来に続く吉兆だと思いたい所だな」
2336/10
国家の地力を高める施策を続けていく。
2337/01
惑星テラフォーミング計画第2号が完了。
この星系を「ボーダーゾーン」、入植惑星を「ハブ」と名付ける事とする。
2337/04
パカリ、ホーリーネーションに宣戦布告。
「ついに始まったか」
「エキニャンももうじき滅ぶぞい。これでホーリーネーションも終わり……」
「となれば、連邦vs第二帝国 + 傍観者の俺達 って図式になるぜ」
「都市連合に食料と消費財を送っておいてくれ。
せめて、唯一の味方との仲だけは万全に保っておきたいからな」
「了解じゃぞい」
「戦況はどうだ?」
「映像、出します」
この短期間で4800まで戦力を回復させたホーリーネーションの底力には眼を見張るものがある。
「軍備増強に全てを回し、必至にかき集めた戦力なのだろうな。
あの姿勢には見習うべき所があるのかもしれんが……」
「焼け石に水、だぜ」
2337/07
リングワールドの持つ各区画が、通常の惑星の持つそれとはまるで違った性質を持っている事に気付く。
通常の入植地の成長を遅らせてでも、この地へと強制移住をさせて行くべきか。
いずれロボット労働者の製造も始めたい所だ。
2337/10
エキニャン帝国、宇宙怪獣=リバイアサンと共闘。
奇跡的に領土の奪還を果たす。
「第二帝国の駐留艦隊はどうした?」
「姿が見えんのう」
「機能停止状態でボコられて、そのまま殲滅されたか、撤退しちまったか?」
エキニャン艦隊は尚も果敢に星系基地を攻撃。
やはり、敵からの反撃は一発も無い。
戦力を損耗させる事なく星系の奪還を続ける。
まさか、このまましのぎ切ってしまうのか?
ゲリラ戦による奇跡の防衛があり得るのか……!?
2338/04
エキニャン、滅亡。
艦隊戦力より先に地上軍が力尽きてしまったか。
既に銀河の半分が第二帝国の魔の手に落ちた。
ここからは、いよいよ連邦と第二帝国の直接対決となる。
両者の間を遮る物はもう何も無い。
「状況報告を」
「はい」
国力比では、なんとか当方が四番手。
観測者によるスコア評価では、第二帝国に大きく水を開けられ、三番手に転落。
しかも、遺物ボーナスを除けば都市連合の下、死に体のホーリーネーションを除けば最下位に来る。
ここからの巻き返しは可能なのだろうか……?
いや、可能、不可能は関係ない。
今回の目的は、銀河の観測。
なんとか2500年まで生存出来ればそれでよし、なのだ。
2338/06
リングワールド再建、3区画目に着手。
2338/12
惑星テラフォーミング計画、第4号に着手。
この処理が終われば、全ての保有惑星が居住可能となる。
2339/01
モングレル南方の国境、そのすぐ下で、ホーリーネーション艦隊が意外な健闘を見せていた。
勝てる相手を見繕い、次々と攻撃を仕掛けるホーリーネーション最終艦隊。
「おいおいおい、マジかよ。奴ら艦隊戦力が6200まで増えてるぜ!」
「連邦は艦隊を小出しにしている。 上手く凌いでいるようだな」
「じゃが、そういつまでも上手くは行かんぞい」
パカリの大規模戦力が北側……我がモングレル領を通過して侵攻。
ホーリーネーション艦隊は敗北必至の決戦を避け、パカリ側へと打って出る。
勇猛果敢に戦い続け、敵艦隊戦力を削り落とし続けるホーリーネーション。
予想外の奮闘。
次第に戦力を摩耗させつつも、連戦連勝を続けていく、が……
連邦艦隊の物量の前に、その抵抗がいつまでも続くはずもなく……
侵出する鼻面を押さえるようにして包囲を受け、大敗。
ホーリーネーション最後の剣は脆くも砕け散り、緊急退避に成功した僅かな残存艦艇が本国に残るのみとなった。
2340/10
新規開拓入植惑星3号のテラフォーミングが終了。
移民船を送り込み、星系名「フラッドランド」、入植惑星名「バーンの塔」へと名を改める。
2341/09
15000ほどのパカリ艦隊がホーリーネーション首都に侵攻。
パカリ国家元首・クロトは無差別爆撃を忌避するタイプの男ではない。
容赦のない空爆が始まる。
「これを非道とは言うまい。
当方としても、早く決着をつけて欲しい戦いだからな」
「もしも今、備えのない連邦国境に第二帝国が襲撃を仕掛けて来たら……
ゾッとするぜ」
「先の見えた戦いにあまり時間を取ってほしくはない所じゃぞい」
「一刻も早く、その矛先を第二帝国に向けてもらわねばな……」
と、銀河地図を眺めていると……
いつの間にか、都市連合領が増えている事に気付く。
2342/01
異変を確認。
旧エキニャン領に、謎の飛び地が発生している。
最期にエキニャンが僅かな国土を回復させていた、その空白地に、スルリと都市連合が潜り込んだのか。
ワームホールを通じ、敵中ど真ん中に橋頭堡を築いていた。
空白地を第二帝国に奪われずに済んだのは、この存在も大きいのではないか。
スペクター型リバイアサンが、悠々と宇宙を遊泳し、行く先々の第二帝国基地を撃破している。
このまま行けば、更に幾つかの星系を都市連合が奪い取ることになるのだろうか。
「ワームホールにはこういう利点もあるものなのだな」
「我々の方でもそろそろ調査を開始しますか?」
「そうだな…… テラフォームによる新規開拓地もいずれ無くなる。
その先を見据える事も大事か」
2342/10
一気にカタをつけるでもなく、なぜかパカリ艦隊が引き上げて行く。
消耗した艦隊を一度母国に戻し、修理する事を優先したのだろうか。
いいのか悪いのか、今すぐ滅亡という事も無いようだ。
2343/07
入植が始まり、開発の進むハブ星にて、次元ポータルが見つかる。
「次元ポータル…… いやはや、心臓に悪い響きだ」
「例のアレ、ではありません」
「ああ。分かっている。分かってはいるがな……」
「ワシらにとっては、やはり特別な物、じゃぞい」
「こんなものに縋り付いて逃げ出す羽目にならんように、なんとか戦い抜きたいものだぜ」
「まったくだ」
いずれ来る「銀河の危機」の影に恐怖するのは、まだ早い。
まずは、今現在を乗り切らなければなるまい。
崩壊を続ける宇宙。迫りくる恐怖の中で、モングレルに芽生えた成長の息吹は、救いだ。
問題は、成長するだけの時間的余裕が当方に残されているのかどうか、だ。
ますます高まっていく大国からの敵意に怯えながら、モングレルの忍従の日々は続く……
<続く>