気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-49:決戦編⑤

「装備一式、ありがとうございました!
 こんな高級装備、本当に頂いてもいいのですか?」
「オウ、ウチの大将は俺の腹以上に(魂が)太っ腹でな。
 ま、恩に感じるなら、その分キッチリ自分に出来る働き方で返せばいいンだぜ」

「では、とりあえずでお借りしていた装備は、処理機にかけて鉄資源に?」
「おっと! いかんいかん! そいつは返してもらうぜ!」

「あら? どうしてですか?
 皆さん、「傑作」以外は売却したり処分したりで慌ただしく働いてらっしゃるのに……
 こんな「見掛け倒し」で、しかも傷だらけの……」
「コイツは、ウチの大将にとっては大切な思い出の品でな。
 ワケあって俺が預かってるのさ」
「そういう事でしたら!」
15kgもの重量は、ちょいとばかり余計な重荷だが……
「ガルトナーの町」には、必要な鎧だ。
この俺のバンダナと同様に、な。

 

第五部:決戦編⑤ 防衛戦

 
 
町から外に出ての鉱夫業務は、かなりの危険を伴うため、新人達には任せられない。
自然、クロト隊前衛主力の出番となる。

先日の馬のように、野獣に群がられて不覚を取る、という事も有り得るが……
概ね、戦闘経験を積んだクロト達が矢面に立つ事により採掘は順調で、獣から毛皮が穫れる事もあって、カンやパスクリ達による防具製造は滞りなく進んでいる。
虐待の塔で手に入れた「メイトウ」の力に酔い、慢心していたか、と馬は反省しきりだった。
その一方、ヘビーポールアームのメイトウを預けられたエリーコは、救護班の自分が持つのは良くない、と、装備を辞退。

このメイトウは、スケルトンチームのアグヌが装備する事となった。
頑丈なスケルトンと、熟練メンバーであるクロト隊が、外部~正門前の警護を行ってはいるが……
荒野に出没する野獣達は、時折警戒をすり抜けて襲ってくる事もある。

スクイン隊の一員、グラニエが片足を失った。
こういう時、隣町であるフラットラグーンで義足をすぐに補充出来るのも、ガルトナーの町の強みだ。
 
そうして日常的に負傷者を出しつつも、じわりじわりと決戦の日に向けて準備を進めていた特務隊。
彼らに、ある日テックハンターから警告の報が届く。

クロトが町に到着するより以前、一度撃退に成功してはいるが、あの時はかなり際どい戦いだった。
決戦前の大切な時期に死者は出したくない。
今度はより慎重に戦い、損耗を小さく抑えたい所だが……
 
「斥候隊から話は聞いたぞ! 厄介事にブチ当たったようだな!」

同盟からの増援として、フラットラグーンより出陣したテックハンターの一団が来訪。
心強い援軍の出現に、特務隊は沸き立った。
敵襲に備え、スケルトン隊が砲座に着き、正門の防備を固める。
敵はハープーンを優先的に狙いに来る傾向があるため、屈強なスケルトン達がこの任に着いている。

そして、正門前にはクロト隊を中心とした前衛部隊を配置。

後は乱戦に備え、新人達をやや後方に下げつつ、射撃部隊を展開……
しようとしていた、その時。
地平線の彼方から、敵軍が姿を現した。

遥か彼方のホーリーネーションから、審問官率いる正規兵、聖騎士部隊が繰り返し遠征を仕掛けてくるとは……

聖騎士を操る権力者達にとって、特務隊の存在は座視できぬ存在であるらしい。
都市連合各地の要衝を飛び越え、直接この地を狙ってくるとなると……
その狙いは、ただ国家間戦争のみにあるとはとても思えない。
特命を帯びた騎士達の士気は高い。
危険な敵前での渡河にも怯む事が無い。

が、地の利を得ている特務隊に対してのこの無謀な試み、代償は高く付いた。
塔の上でハープーンを構えたベッカムが、先頭の一人に対して砲撃を開始する。

身動きの取れない遠泳中に砲撃を受け、慌てて踵を返す者も出てくる。
隊列が乱れ、進行が遅れ、敵軍はますます砲撃を受ける時間を長く取られる事となってしまう。
致命打が、騎士達の頭上から容赦なく降り注ぐ。

いかな屈強な騎士であれ、狙われた者は無事ではいられなかった。
川岸に辿り着く前に、戦隊はズタボロにされてしまっていた。
それでも、正門まで辿り着くと、騎士団はガンガンと鉄柵を殴り、力ずくでの突破を試み始める。

破られれば、即座に至近距離戦となる。
クロト達前衛が門の修理を行い、時間稼ぎを行う。
僅かなりと破壊を遅らせる事ができれば、その分だけスケルトン隊による砲撃回数が増える。

一人、また一人と門前で敵兵が倒れていく。
ガルトナー正門の破壊に成功した時、騎士団の生き残りは僅か五名となっていた。

クロト達は正面からこの敵を迎え撃ち……

幾度か気絶から復帰してきた敵兵との散発的な戦闘は挟んだものの……
間もなく、戦いは決着した。

血の臭いに釣られてか、ボーンウルフが乱入。

戦闘は圧勝ではあったが、不幸にも決着後に新兵2名に四肢欠損が発生。

得意武器の扱いが上手くなるタイプの義手を与えられ、彼らの戦闘力は上昇する事となった。

こうして、日々部隊の損耗度は上がっているが……
結果的には戦力の向上になっている点に、クロトは複雑な感情を抱えていた。
 

 
出陣の準備がほぼ終わりつつあった、ある日の事。
フラットラグーンとガルトナーの間を行き来する要員が、一人のハイブと出会った。

グリーンが、名もなきはぐれハイブドローンから救いを求められた。
(この波長、イーストハイブの出か……)
女王を失った状態で、転換の日をも乗り越え、ここまで正気を保ってきた。
グリーンは彼のここまでの苦悶の旅路に対し、称賛の念を禁じ得なかった。

「お前はもう巣無しではない。
 今日から、俺達がお前の巣となろう……」

こうして、名もなきハイブドローンが特務隊に加わることとなった。
猛獣だらけの荒野で、彼の片足はちぎれる寸前の状態まで痛めつけられていた。

作戦行動を遅らせる事にはなるが、幸い人員には余裕がある。
何人か人でを割いて、彼の治療と戦力化を優先した方がいいだろう。
「58点。
 非力なドローンであれば、射手として働くのが一番でしょうね」
「俺達で守ってやりたい所だが……」

1戦力として働かせるかどうかはともかくとして、まずは名無しである事をどうにかしたい。
最寄りの町となると、モウン……
いや、あそこには戸籍を管理する外科医が存在しない。
カタンの町まで行く必要があるか。
「ったく、人使いが荒いぜ!
 ま、頑丈さを頼られて悪い気はしねぇがよ!」

はぐれドローンを連れ、エリス、アレッタ、オザンファンの三人がカタンの町を目指す。
同じくエリス隊所属のレイは、不足している実戦経験を積むため、クロト達について危険な採掘作業を行っているため、今回も別行動だ。
実戦経験を積むなら、ボーンフィールドを横断するこの旅路に付き合っても良いのだろうが……
その道行きは、手足の脆いハイブにはあまりに過酷すぎるだろう。

「チッ、これだから! お前ら、先に行け!」
エリスが立ち止まり振り返り、ビークシングに立ち向かっていく。
が、しかし……

前方から、更に大型のビークシングが2体。
「貴方だけで先に行く…… 出来ますね!?」
「わかた…… がんばる!」
今度は、アレッタとオザンファンが盾となり、はぐれドローンを逃がす。

しかし、いくらかの実戦経験を積み、重装甲で身を固めているエリスと違い、密偵としての任務を続けて来たアレッタ・オザンファンは、直接戦闘が得意ではない。

たちまちにアレッタは昏倒。
オザンファンも片足をへし折られ、もんどりうって地面に倒れる。
「エリス様だけに、押し付ける訳、には……」
「馬鹿野郎! 無理すんな! 寝てろ!!」

(アレッタは大丈夫なの?! 早く止血をしないと……!!)
片足を引きずりながら立ち上がったオザンファンは、手早く止血だけ済ませると、再びビークシングへと立ち向かっていった。
「これで、しまいだ!!」

オザンファンがなんとか二匹を仕留め、残りはエリスが片付けた。
隊長として立派に成長したエリスの勇姿に目を細めつつ、オザンファンはアレッタの治療を始める。
気絶したアレッタをエリスが抱え、オザンファンは片足が折れている。
早くはぐれドローンを追いかけたい所だが、仲間を置いても行けない。

エリス達は遅々として進まない道のりを、再びの襲撃に出会わぬよう祈りながら進み続けた。

一方で、はぐれドローンは無事、カタンの町へと辿り着いていた。

「して、これからお主は何と名乗るのじゃ?」
形成外科医に問われたはぐれドローンは……

ハグレロ、と名乗る事に自ら決めた。

アレッタが目覚めれば、足の折れたオザンファンを担がせる事も出来るのだが、それまでは彼女の歩調に合わせて一歩一歩進む他無い。
ようやく、彼方にカタンの町が見えてきた所で……

「うあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
今まさに、ハラワタを食い破られそうになっている侍に出くわす。

「ったく、仕方ねぇな!!」

こういう時、見捨てられるエリスではなかった。

やがてアレッタが目覚め、一行は無事カタンの町へと辿り着くことが出来た。
「危ない所だったな、サムライさんよ」

意識と片腕を失った侍を、憲兵隊本部のベッドに寝かせる。
「よくやってくれた。恩に着る、特務隊」
「俺達もあんた達にゃよくしてもらっている。
 お互い様ってモンよ」

憲兵隊長を務める「侍隊長」イリカが深々とエリスに頭を下げる。
クロトはここにも拠点を構えていたらしく、初対面にも関わらず、エリスの徽章をひと目見ただけで彼女の態度は穏やかなものとなっていた。
反奴隷主義者の彼からしてみれば、都市連合の侍は敵でもあるが……
今、エリスの主はティンフィストではなく、クロトだ。
世界の危機に立ち向かうため、諍いを忘れ、共闘を優先するだけの分別が、彼にもあった。
カタンの町の酒場にも、行き場の無いステイヤー達が何人かいた。

エリスは三人の新人を新たに仲間に加え……
ハグレロ、コトラ、エンホ、アンヌの四名が、新たにエリス隊のメンバーに加わることとなった。

行きの教訓を踏まえ、帰りは傭兵隊の護衛も付ける事にしたのだが……
気付けば、夜闇の中ではぐれたのか、早々に姿を消してしまっていた。

後に、ガルトナーの町に帰還したエリスの所に辿り着いた時、傭兵は2名のみとなっていた。

「では、僅かとは言え、傭兵の力を借りられる今が好機、かもしれませんね」
負傷した傭兵が、僅か二名。
だが、それさえもアテにしなければならないのが、特務隊の現状である。

「予定の三ヶ月が過ぎるまで、あと僅か……
 最終決戦の前に、僕達の取るべき作戦行動が定まりました」
ガルトナーの町の塔内にて、作戦会議が開かれいた。
それは、おそらくは……
都市連合・対ゾンビ特務部隊として、最後となるであろう作戦会議だった。
<続く>


使用MOD:ゾンビアポカリプスリバランスTORIリビングワールド、等
設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります