気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-52:決戦編⑧

クロト隊 

カン隊 

スヴェア隊 

グリーム隊 

コスチュニン隊 

エリス隊 

そして、10匹の家畜 

これに、テックハンターの傭兵が2チーム加わる。

98人と10匹、そして2部隊の傭兵達が結集する。

午後9時。
砂漠の遅い日没が迫る中、特務隊全軍が出陣した。
 
 

第五部:決戦編⑧ 進軍

 
 
予定する侵攻ルートは、こうなる。

連絡を受けた同盟拠点と、2つの廃村とを緊急時の避難・休息地点として活用しつつ、敵本拠点を目指す。
長い道のりとなるため、出来るだけ夜間を避けて進みたい。
始まりは深夜の行軍となる。

夜間にも関わらず、各員の装備するランタンの光で、周囲は煌々と照らされている。
最初の夜明けが訪れる。

厄介なランドバットやボーンウルフにも出会わず、まずは順調。
事前に受け取った情報通り、中継地点となる施設が見えてくる。

ブラックシフターの麻薬工場。

都市連合・ホーリーネーションを腐らせるための「武器」が、こんな所で製造されていたのか、と、クロトは妙な納得感をもってこの光景を眺める。
魔境が間近でありながら、本当の危険地帯に踏み込まないギリギリのライン。
地理的に考えれば、この辺りに位置している事が当然とも言えた。
とは言え、今は何か用がある訳ではない。
敵襲を受けた際の避難場所として使うかもしれない、というだけの事……

特務隊は素通りして先を目指して行く。
旅路は、未だ順調。

辺境開拓計画で建てられた村、「自由保有居住」こと、フリセ村へと進路を取る。
何事もなければ、湖の前で進路を変更。
沿岸に沿って南下する。
この人数では、急な回避行動は難しい。
先んじて敵を発見していく必要がある。

前方に、ランドバットの群れ。
気づけて良かった。
ぶつかっていれば、無事では済まない数だ。
危険な遭遇戦を回避出来たと一安心した、その次の瞬間。

前方から、悲鳴。
ゾンビの群れに襲われた放浪者の絶叫だった。

クロトが「手を出すな」と命じるより早く、部隊の新兵達が矢を射掛け、男を救出してしまう。
この行動で足が止まってしまったのが良くなかった。

隊の後尾を守るべく、傭兵隊が進んで盾になりに向かい、後方のランドバットとの間で戦闘が始まってしまう。
こうなってしまっては、振り切って走ろうにも、もう手遅れだ。
前方のゾンビの数はそう多くない。
新兵を安全域まで下がらせ、クロト達精鋭が掃討に掛かる。

が、しかし……
後方に下がった部隊のさらなる後方から、別のゾンビの一団が出現。
狼狽えた新兵達は、統制の取れていない状態で慌てて射撃を開始してしまう。

それは、不幸な事故だった。

新兵フラッタが慌てて弓を構え、水平を保たない状態で放ってしまったその一撃は、隊の中でも最も幼い者達の中の一人、マルチの片足を切断してしまった。

動揺した新兵達が思い思いに射撃を開始し、誤射の嵐が巻き起こる。
敵の攻撃より被害が大きくなるという最悪の結果。
不幸な事故ではあったが……
大群を率いた経験の無いクロトの落ち度とも言える。
慌てて駆けつけたホッブズが陣頭指揮を取り、スクイン隊が中心となって迎撃。

前方のゾンビも、すぐにクロト隊が処理。
こうして、初戦は思わぬ損害を出す結果に終わった。

南へ向かうのは、後にせざるを得ない。
フリセ村跡でキャンプし、一時治療に専念しなければなるまい。
フリセ村への途上、一部隊員がショートカットと称して渡河を試みた。
その時、最初の犠牲者が出た。

思わぬ死角、水中からの奇襲。
 

哀れな子ヤギが一匹、川面に浮かぶ。
 
迎撃自体にはそう時間は要しなかったが……

再出発の前に、次なる犠牲を出す事となってしまった。
しかも、傭兵隊は移動を優先せず、周囲のランドバットとの戦いを継続してしまう。

傭兵と、部隊の糧食へと姿を変じた二匹の遺骸を残し……
クロト達は先を急ぐ。
フリセ村。
既に第二帝国に破壊された跡の廃墟ではあるが……
エリス達からの情報によると、屋根のある建物も残されており、休息を取るだけなら問題ないという。

情報通り、2軒のストームハウスが健在。
酸性雨が振る事があったとしても、ここならばゆっくり休息を取る事が出来るだろう。

モムソーは、ヤノルスとの同衾(?)に「怪我した甲斐があった」などと喜んでみせていたが……

負傷者の数は多い。
シェク軍団の鎧にこもる汗の香りが、たちまち廃屋内を覆っていく。
雑魚寝に憮然としながら、特務隊遠征の初日は終わりを迎えた。

明けて、翌朝。
無事とは言えない状態ではあるが、傭兵隊も追いつき、南へ向かう支度を終える。

前足を折ってしまったガル一匹と、誤射で片足を失ったマルチは、ここに置いていく事となる。

今から安全域まで戻す事も出来ないし、足手まといを肩に担いで行く事も出来ない。
クロトは、義足を持参して来るべきだったと後悔するが、今となってはどうにもならない。
ここに戻るまでに、どれだけの時間が掛かるか分からない。

マルチのバックパックに多めの食料を詰め、クロト達はフリセ村跡を出発した。
目指すは、湖沿いに南下した先、「探検5」こと、タンサー村。

ここもまた辺境開拓計画で建設された村の一つであり、また、クロト達が訪れた事のない場所でありながら、特務隊にとって因縁の深い場所でもあった。

出発早々、悲鳴が上がる。
子ヤギを狙い、ゾンビが襲いかかっていた。

襲ってきたゾンビの数は少なく、ヤギ達は一命をとりとめた。
が、しかし……

やはり、本隊は別にいた。
小集団を倒した後、大集団が側面に出現。
特務隊は不意打ちを受けてしまう。
前方をクロト隊が掃討。

後方を傭兵が片付け……
ようやく実戦への怯えも消えたのか、新兵達も各自でゾンビを殲滅。

戦闘は早期に収束するかに思われた。
が……
新兵が戦ってはいけない相手が、一匹だけ混じっていた。

高い戦闘力を持つ、シェクタイプのゾンビである。
新兵をかばうべく前に飛び出したレイも痛撃をうけ、よろめく。

駆けつけたクロト達によって、シェクゾンビは切り刻まれ……

程なくトドメを刺すに至るが……
突然、新兵教官チャドが倒れる。

 
何事が起きたのか、と振り返ると……
サザンハイブの一団が、音もなく襲撃を仕掛けて来ていた。

 
連続戦闘によって隊列を乱されたまま、練度の高い敵兵団に苦戦を強いられるが……

大乱戦の後、どうにか殲滅を終える。
また、犠牲が出た。

また一匹、家畜を食料へと変じさせ、進軍を続けるべく部隊を再編する。
と、そんな余裕すらなく、隊を集結させる前に次の敵が出現する。

包囲波状攻撃と言っていい。
ジワジワと、クロト達は損耗を強いられていく。
それでも尚、致命的なダメージは無く……

ようやく、次の目的地「タンサー村」を目の前とする。
が……

今度は、傭兵達も全員は合流できなかった。
 
タンサー村跡に辿り着く頃には、再び日が暮れ始めていた。

夜闇が辺りを閉ざしていたのが、かえって良かったのかもしれない。

夜目にも、暗がりに白い体毛がはっきりと浮かび上がる。
気付かずにあの数のランドバットに正面からぶつかっていたら、どれだけの損害を被っていた事か。
「探検5」。 タンサー村。
エルダーの攻撃を受け、壊滅した村。
ミウとレットとサヴァンが、エルダーの拠点からティンフィストによって救出された後、保護される事となった村が、ここだった。

その最後は悲惨なものだったと言う。
ケルトン信奉者へと変貌した村人達が、敵対する村人達を殺し……
その混乱に乗じてエルダーの戦闘部隊が襲撃を仕掛け……
クロトの母達が、その犠牲となったのだ。
ミウとレットはなんとか西に向かって逃れる事が出来たが、サヴァンは捕らえられ、敵本拠地「アイアン指揮所」へと連れ去られ、惨劇の仕上げがそこで行われる事となった。

テックハンターが南東に向かうための拠点としても機能しており、テックハンターだったホッブズや馬も、傭兵だったデーリアやリドリィも、ここを訪れた事があるらしい。
今では、探検家の宿場街として栄えていた頃の面影はまるで無かったが……
二日目の夜が更け……

期限の2日が過ぎた。
傭兵契約を終えたテックハンターが去って行く。
薄情な、と思わないでもないが、数千catでここまでついて来てくれただけでも充分すぎる程に義務を果たしてくれている。
文句を言える筋合いは無い。
そのはずなのだが……
傭兵隊長フレーベルは、鼻歌まじりに走って行く。

タンサー村への道を遮るように徘徊するランドバットに向かって、一人、走っていく。
囮になるつもりらしい。
これ以上の損耗は、作戦行動に影響を及ぼしかねない。
彼の勇気を無駄にするな、と、クロトは廃村へと向かって部隊を進ませる。

この村でも、まだ健在な建物が何軒か残っている。

砂埃の残る廃屋ではあるが、どうにかここで休息を取る事は可能なようだった。
再び作戦行動に移るまでには、長い時間が必要だった。

明け方、部隊の点呼を行っている際、新人の一人が片腕を失っている事に、ここで初めて気付く。


それでも尚、戦列を離れる気は無いと熱弁を振るう彼を、今はどうする事も出来ない。
失血もない。
クロトは心を鬼にし、戦力の一人として引き続き作戦行動を続けてもらう事にする。
廃墟に朝日が差し込み、けが人達が一人、また一人と起床してくる。

と……
契約の切れたはずの傭兵が、建物の片隅に立っていた。

どうしようが俺の勝手、と、部下達を帰らせ、一人、ここで番をして待つと言う。
クロト達が帰って来た時、安全なキャンプ地が必要となるだろうから、と。
このまま共に決戦に赴く度胸が無い自分を恥じているようだったが……
寝床を確保してくれるだけでも、充分過ぎる援護だ。
きっと、ここに帰って来る時には、今以上にボロボロになっているはずなのだから。
三日目の朝。
この廃村から、東に向かって出発する。

最終目的地点、「アイアン指揮所」まで、あと僅か……
なけなしの勇気を奮い起こし、新兵達が行軍を開始する。

一方、クロト達の心境はと言えば、いささか異なる。
長かった旅の終わりが、目前となっていた。

これまでの戦いの全てが、今この時のためにあったと言っても過言ではない。
その結末がどのようになるのかはともかくとして、これで、彼らの旅が終わる。

万感の思いが、クロトの胸を締め付ける。
破滅へ向かう世界が変わる。
明日からの世界は、人類にとって、少しだけ……
今までより、少しだけ、穏やかな世界になっているはずだ。
失敗は出来ない。
慎重に、敵「スケルトン盗賊」の巡回部隊を避け、迂回して進む。

もう、目前だ。

隊の全員の鼓動が早まる。
総員突撃の合図はまだか。
と、突然の雷雨。

動揺する隊を落ち着かせるうち、耳に金属の響きが届く。
耳慣れた戦闘音。
間違いない、あれが敵本拠地。

その只中で、戦闘が発生している。
暗闇の先、遠すぎてはっきりとは見えないが、あれは……

魔境東部を支配する、魔獣に飼いならされた快楽主義者達。
「クラブレイダー」が、スケルトン盗賊と激しい戦いを繰り広げている。
今だ。
この千載一遇の好機を逃してはならない。
 
「総員、突撃!!」

遠征3日目の深夜。
特務隊最後の戦いが、今、始まろうとしていた。
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります