気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-46:決戦編②

 
 
 
「ビークシング、来るぞ!」
 
「僕とコスチュニンで食い止めます! 前進を続けて!」

 
「くそっ! 血の臭いで集まって来たのか!?」

 
「対処--可能」
「ああ、これくらいのゾンビ、今の僕達なら!」

 
 
「それじゃ…… 時間的余裕もあまりない。
 ここらで別行動だね」

「了解」
 
ケルトンであるコスチュニンは、「虐待の塔」に接近した時点で敵の指令信号を受信してしまう危険性がある。
 
以前、ハイボーン・フィールドで謎の音声を拾ったことがあったが……

レット曰く、あれは、虐待の塔を根城にしている第二帝国派スケルトン「スクリーマー」「ポンク」の二人組の会話を傍受してしまったのだろう、という事だ。
 
塔に直接乗り込む事になれば、洗脳を受ける可能性もある。
だから今回、敵の通信設備を叩くに際し、コスチュニンとはここで別行動を取る事となる。
 
コスチュニンは走る。
洗脳を受けてしまった同胞の成れの果てと戦いながら……

 
野盗や害獣と戦いながら……

 
密使として、彼ほど適任な者はいない。
例え拷問されたとて、決して口を割る事が無いのだから。

クロトからの親書を携え、一人、大砂漠を駆け抜けていく。
 
 
コスチュニンがそうして過酷な旅を続けていく一方、クロト達はモウンから北へと向かい……

 
徘徊する首なしスケルトン「スラル」の巡回部隊を避けつつ……

 
夜明け前の時間帯に、出来るだけ急いで駆け抜け……

 
目指す敵・第二帝国の前哨基地、「虐待の塔」へと辿り着いた。

この地でスラル兵を製造しつつ、各地へ命令の伝達を行っている敵幹部個体、「ポンク」「スクリーマー」。
この2名を撃破し、通信設備を破壊する事……
 
それが、本作戦におけるクロト隊の任務であった。
 
 
 

第五部:決戦編② 虐待の塔

 
 
 
ヴェンジレーザー。
 
太陽光を収束して熱線砲として照射する兵器。
 
それを避けるため、夜間の間に進軍を急いだが、時間的にギリギリだったか。

 
かつての第二帝国と人類との戦いで照射されたそれは、現在より高出力であったと言う。
溶け崩れた鉄塔がそれを如実に物語っている。

 
「天から熱線で焼き尽くす……
 話には聞いていたが、実際目にしてみると、恐ろしいものだな」
 
「こんな物、屋根さえあれば防げる……
 本当に恐ろしいのは……」
 
脅威の光景に怯えるハムートに、陰気な声でドクターが応える。
 
そう。
今、恐るべきはこんな程度の物ではない。
 
恐れるべきは、人類全てを狂わせる洗脳波……
 
天空の彼方に浮かんでいると言う、未知なる超兵器の存在だ。
 
「とは言え、焼かれれば無事では済みません。
 急ぎましょう!」
 
今となっては石壁で充分に遮る事が可能な程度の熱線であろうと……
二度浴びせれば、人を死に至らしめるには充分な破壊力、との事である。
迷っている暇は無い。
早く屋根の下に入らなければ、いつ全身を焼かれても不思議ではない。
 
「いつものように僕が隠密で偵察を……と言う訳にもいかないか」
「私に任せて」

ダルパンが一人、先行して建物に足を踏み入れる。
彼女であれば、強力なスプリングバットの一撃で先制し、軽装の足の軽さで味方の所まで戻れるだろう。
 
そう考え、クロトは異を唱えず、先行するダルパンを見送ったが……

「お見通しなのですよ。ニンゲン」
「敵っ…… 幹部個体!?」
 
「あのレーザーを見て尚立ち向かって来るニンゲンがいる、というのは驚きですが……」

 
「宙をも手中にする我らに勝てる訳が無いと、分からないものですかねぇ?」
異様な光沢を見せる白刃が閃き、ダルパンは一撃で昏倒させられる。

「ダルパン!!」
「治療は吾輩に任せよ! 行け!」
 
「スクリーマー! スラル軍団のボスだ! 囲むぞクロトォ!!」
 
「くっ! 部隊展開! 射撃班は誤射に気を付けて!」
 
「甘い甘い! ニンゲンよ、数で対抗するには、少々頭数が足りていないようですねぇ!!
 さあポンク! 軍団をこちらに!!」

スラル兵が集まり、迎撃を開始。
頭上からもガシャガシャと騒音が響き、さらなる増援の出現が予測される。
 
「ならば今のウチ、ってな!! エリス隊、いいトコ見せるぞオラぁ!!」

敵の半包囲を受けつつ、エリス達は果敢に敵将「スクリーマー」を囲み、頑強な機体を叩き続ける。
 
が……
 
「フハハハハ!! 低俗なニンゲンどもが娯楽を提供しに来おったか! 歓迎するぞ!」
 
上層階からの増援が出現。
包囲するクロト達をさらに包囲するような形で、大乱戦が始まる。

 
「痛っぅ…… やって、くれたわね……!」

立ち上がったダルパンも加わり、次第に陣形が整っていく。
 
前衛が敵を食い止め、射撃部隊が包囲。
 
「ドクターとエリーコは治療を優先!
 ダルパン、シェイド、グリーンは確実な射線確保を!」
 
未だ、とても戦力として強力とは言えないクロト隊。
勝敗を決するのは射撃部隊の高火力をいかに使いこなすかに掛かっている。
誤射によって死者を出す事だけは絶対に避けねばならないため、ダルパン達は射撃回数を減らしてでも、確実に敵のみを撃てる位置取りを優先する。
 
「ぐっ、あぁぁっ!!」

乱戦の中、最初に倒れたのは、ドクターと共に味方の治療に努めていたエリーコだった。
 
戦闘中の止血行為は危険で、どうしても敵に殴られながらの治療になりがちだが……
一人の死者も出したくないクロトは、こうして損害を覚悟の上で過酷な命令を下す事もある。
 
一方で、ブロージオ、ヤノルス、リリーの「つまようじ」組は、誤射を恐れずその弾幕を敵幹部に集中し、動きの阻害のみを狙い続ける。

「いかに刃が通じぬ頑強な機体であろうとも、吾輩の蛮刀ならば!!」
 
「この程度で、汚名返上……とは言うまいが!」
 
無骨な鉄塊であるサーベル。
叩き割る攻撃に特化したナタ。
これらの武器であれば、斬る事に特化した刀より、鉄の肉体に通じやすい。
 
「グ…… ガガッ……」

馬とドクターの斬撃をトドメとして、二体の敵幹部の一方、スクリーマーの撃破に成功する。
 
が、しかし……
 
「きゃあっ!!」「ぐぁっ!!」

包囲攻撃を受けながら敵将を包囲撃破。
その代償は大きかった。
 
練度不足の軽装メンバーを中心として、隊の半数が戦闘不能に。
 
先のゾンビとの戦いの傷が完治していなかったためか、クロトまでもが意識不明となってしまう。
 
「吾輩らで敵将を叩く! 軽装の者は首なしの相手を!」

緊急時の取り決め通り、馬が指揮を引き継ぐ。
 
残る敵将・ポンクを相手に、乱戦は続く。

クロト隊の主力となる、馬、デーリア、モムソー、ハムート、エリスでボンクを囲み、プロージオ、ヤノルスが射撃牽制。
残る面々でスラル兵を食い止める形となる。
 
「くっそ、硬ぇぞコイツ!! ぐはっ!!」

「グハハハハハ!! ニンゲンを斬るのは楽しいなあァぁ!!」
 
クロト隊前衛主力の包囲を受けつつ、ポンクは尚優位に戦闘を進めていく。
重甲鎧のエリスを連撃でひるませ、強引に包囲を崩し……
 
「あぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」

こじあけた包囲の隙間から、射手であるヤノルスを優先して潰しに行く。
 
「ヤノルスちゃん!! くっそ、テメェ!!」

まだ息はあるが…… あまりに重傷者が多すぎる。
止血が間に合うかどうか……
 
「ーーーーッ!!!」

レイが、声にならない悲鳴を上げる。
 
ハイブの棒状の足が吹き飛び、ミウの目の前を転がっていく。

「ああ…… キリが無い!!」
 
ドクターもエリーコも倒れたまま起き上がって来ない。
治療に走り回るミウは、手に負えない状況に顔面蒼白となり叫んだ。
 
「よくも…… やりやがったな!!」
 
痛撃によろめいた体勢を気力と筋力で無理やりに立ち直らせ、エリスが叫ぶ。
 
「うおおおおらあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 
サーベルが金属フレームを打つ激しい衝突音が響き、ポンクが倒れる。

「サーベル使い! 拾っとけ!」
「応!!」

「なんという刀刃の輝き……」
 
見たことのない光を放つ環刀に魅入られそうになり、馬は慌てて頭を振って立ち直る。
 
「残敵掃討! ミウ殿はレイ殿の止血を!」「もうやってる!」

 
「ブロージオちゃん!?」
「来ないでモムソー! これくらい私だって!!」

「ヒューッ! お見事!」
 
「ハァ、ハァ…… これで、全部、か!?」

最後まで立っていたのは、馬、デーリア、エリス、モムソー、ミウ、ブロージオの6人のみ……
 
厳しい戦いだった。

四肢欠損も、レイが片足を失ったのみ。
第二帝国の領域に乗り込む前、クロト隊の実力を測る意味もあったこの戦い、なんとか及第点と言える結果に終わっただろうか。
 
「くっ…… 役に立たず、すまない……」「終わった、の……?」

ドクターとエリーコが起き上がり、味方の止血を終え、ようやくクロト隊は一息つく事が出来た。
 
「長柄使いは…… エリーコ、お前に預けよう」
「いいのですか?」

クロト達を騙していた負い目もあり、エリーコは辞退しようとしていたが、長柄武器の使い手はリラとエリーコしかいない。
技量の面ではエリーコが上回る。
 
「メイトウ」は、適任者に預けられる事となった。

 
 
「さて、と。どうしたものか……」
 
「敵の設備の解析や箱の解錠には我が主の腕が必要となろう。
 主が目を覚ますまで、回復に務めるべきではないか?」
 
「ウム。 そうしよう」

 
持参した寝袋が足りず、重傷者の回復を優先して寝かせつつ、クロト隊一同はゆっくりと戦後処理を始めた。

とは言え、スラル兵団の装備は貧弱であり、整理すべき戦利品もロクに無かったが。
 
「しかし…… 何なのだ? この機械群は。
 我が主ならば理解も出来ようが、オレにはサッパリだ……」
 
「発電設備だ。ここで機械を動かす力の源を生成している」
 
「あちこちで見られる研究所タイプの遺跡ではあるが……
 ここまで稼働状態の良好な遺跡は見た事が無い」

デーリアの疑問にドクターが応え、馬は遺跡の様子に感嘆する。
しかし、感心してばかりもいられない。
 
ドクター・チュンは本来の目的を果たすべく、設備の調査を開始した。
 
 

 
 
「よ、お目覚めかい」
 
「すみません、早々に戦力外になってしまうなんて……」
 
「寝起きに早速で悪いのだが、我が主にしか出来ない仕事が残っていて……」

 
通信設備は既に破壊し終え、敵も全て掃討済みとの事だが、用心し、慎重に歩みを進めるクロト。

情報通りであれば、周辺を巡回している大量のスラル達がこの基地に戻って来る事も有り得る、との事だが……
 
レットの読み通り、危機は回避された後のようだった。

同士討ちを避けるための指令装置は既に停止させられている。
 
統率者を失い徘徊を続けるスラル兵とゾンビとが戦闘を開始。どちらも塔までやって来る事はなかった。

 
クロトは妨害される事もなく、鍵のかかった箱を次々解錠し……

貴重な戦利品を手に入れていった。
 
研究台の情報送信は既にドクターの手で停止されている。
残るは塔の最上階の調査のみ。

(ここは…… 監禁部屋……?)
 
立ち並ぶ檻。 スケルトンの残骸。
何らかの邪悪な実験が進められていた気配の残るフロア。
 
クロトは漠然とした気持ち悪さを感じつつも、パワーコア等の希少物資をバックパックに詰め込んでいく。
 
「……ルルルル!!」
 
「!?」
 
部屋の一方から、震えるようなスケルトンの声がする。
 
「君は……?」

「アグヌ!!!」
 
「それが、君の名前なのかい?」
 
「アグヌ!!!」

会話が成立しない。
ああ、そうか…… コスチュニンのように、彼もまた言語機能を損傷しているのか。
 
「今開けるから、待ってて」

怯えたような声音に、「敵ではない」という直感を持ち、クロトは、檻の鍵を開ける事にした。
 
「アグヌ!」

音声の高さが一段上がる。
喜びの声か。
 
「さあ、どこへでも行くといいよ。
 何なら、僕達について来てもいい」
 
「ルグアフフルゥゥゥ!!」

それが歓喜の叫びである事は、スケルトンならぬクロトでも理解出来た。
 
 

 
 
「と言う訳で…… ついて来てしまったから、とりあえず連中の装備を着せてみたのだけれど」

「おぉ!? そのスケルトンは!」「珍しい色の制服だな」
「吾輩達はいずれも似た者同士。スケルトンであろうと大歓迎……
 で、あるな? クロト殿」
 
「もちろんです!」

見慣れぬタイプのスケルトンに警戒する者もいたが、「スケルトンは全て敵」と言うようなホーリーネーションの悪い所は見習うべきではない、と、クロトが強く主張した事もあり、彼……
「アグヌ」もまた、特務隊の一員として新たに迎え入れられる事となった。
 
「装備は有り難く頂戴するとして、敵の骸はどうするかね」
 
「先生の話だと、スケルトンの遺体を再利用する技術もあるそうじゃない」
 
「ダウレット公らの研究あったればこそ、だがね。
 ……念には念を入れておくべきか。
 エリーコ君」
「はい、先生」

塔に備え付けられた「スケルトン解体機」に、ポンクとスクリーマーを投入。
破砕機が物言わぬ鉄塊を粉々にし、二度と再生・再利用出来ない状態となる。
 
如何に貴重な知識を持っていたにせよ……
これでもう、彼らの有する危険な知識が人類の脅威となる事は無いだろう。
 
「何はともあれ、快勝だな! レイって野郎にゃ災難だったがよ!」
 
「なぁに、コイツもこれで頑丈な足に取り替えられるってなモンで、嘆いちゃいねぇよ」
「!!」
 
「おっ、今のは同意の声だな。俺にも分かったぜ」

どうやら、人当たりの良いモムソーのお陰で、エリス達も上手く隊に溶け込んでくれたようだ。
 
レットの指揮下で戦う新体制での初陣……
まずは成功裏に終わって一安心、か。
 
「クロト様、ここからモウンに戻るのでしょうか?
 ここからですと、モウンより……」
 
「ええ、リリーさん。分かっています。
 それもまた、レットから予め指示を受けていますから」

クロト達は日が昇り切る前に塔を出て、レーザーが降り注ぐ前に、と全力で距離を稼ぐ事にした。
その目指す先は……
 
フラットラグーン

テックハンターの中枢部。本拠点とも言われる町、「フラットラグーン」を目指し、荒野を駆け抜けていく。
 
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります