気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-37:解明編①

「ただいま~~!」
「おう、クロト、変わりは無いか?」

「はい! 野盗も、害獣も、特に見かけませんでした!」

「ただいま! 母さん!」
「おかえりなさい、クロト。
 今日も遅くなりそうだから、家の方にご飯を置いておいたわ」

「温かいご飯を用意出来なくて、ごめんなさいね……」
「気にすんなって!
 補給線もまた戦場だって父さんも言ってたし、母さんの仕事も大切だもんね!」
「フフッ、生意気言っちゃって、この子は!」

「おっ! ミートラップじゃん! やったぜ!」

「母さんのミートラップ、やっぱり最高だなぁ……
 明日は、ミウと、遺跡の近くまで…… Zzzz.....」

「クロトくん、帰って寝てるよ」
「ふふっ、じゃあ今のうちね!」

「どうして私達だけで……? クロトくんも勉強したがると思うけど……」
「父達の職場に勝手に入り込んでるトコがバレたら、クロトもゲンコツ食らうだけじゃ済まないでしょ?」
「あ、それもそっか……」
「父とカリヴァン先生は、とうとうスケルトンの蘇生に成功した。
 その成功の秘訣がどこにあったのか、それさえ分かれば、私にだって……ってね」

「スケルトンって、あの頭の無いやつ?」
「頭なし……スラルの製造までなら、人間にも可能。
 後は、中枢となるAIコア、CPUユニットの解析・再現まで出来るようになれば、いよいよ……」
「ドッグレット、また難しい話してる……」
「もう! 貴方も先生の授業はちゃんと受けておくべきなのだわ。
 スケルトン心理学を通じてのコア解析。これさえ実現出来れば、人類はとうとうスケルトンを凌駕する領域に手が届くのよ!」
「チュン先生の言ってた、『かみのりょういき』ってやつ?」
「そうよ! 私達人類の手で、世界を守り抜く! そのために……」

浮浪忍者の里を出発し、スワンプを目指して旅立ったクロト隊一行。

以前、壊滅的被害を受けた時の記憶が蘇る。

敵地、ホーリーネーション領を横断する、危険な道行き。
今回は、果たして無事に踏破する事が出来るのか……

第四部:解明編① 浮浪人の村~スクイン

「敵襲っ!!」「くそっ! 後方から!? 流石パラディン、目がいい!」

それは、絶望的な状況。
将軍格である審問官1名。
指揮官級である高位パラディン3名に加え、パラディンが数名。
正規の侍部隊であっても勝てるかどうか怪しい。
まさに、ホーリーネーションの精鋭部隊。
(どうする……?! どうすれば切り抜けられる!?)
クロトは必死で考えを巡らせる。
正攻法を取った場合は……?

前衛が敵を押さえている間に射撃部隊で大将首を取る……
いや、だめだ。前衛の戦力が違いすぎ、一瞬で壊滅するだろう。
そうなれば、足の速い連中を射撃班の引き撃ちだけで倒しきれはしない。
軽装の射撃班が斬られれば、命まで奪われる可能性が高い。

戦闘せず、逃げ切りを目指す場合は……?

委細構わず、全力で走り続けると……
足の遅い者が犠牲となり、速い者を逃し、逃げ延びた者で後から救いに向かう。
というつもりであれ……

犠牲が大きすぎる。
ダメだ。 これでは逃げ延びられるのは僅か。

助けに戻る前に敵に捕まり、奴隷にされてしまうばかりか、失血死する者も出てくるだろう。

部隊の切り札であるクロスボウの火力を切り札に戦えば、敵の大将格を討ち取る事は出来るが…… 勝てない。
全員で走っても逃げ切れず、取り返しのつかない犠牲も出る。
ならば……
クロトは、厳しい決断を迫られた。
「コスチュニンさん! 踏みとどまって、皆を逃してください!」
「囮--了承」

ケルトンであれば、滅多な事では四肢欠損もしないし、死にもしない。
クロトであれば、決して自分を見捨てる事はせず、修理のために戻ってくれる。
コスチュニンはクロトを信じ、敵を挑発するように唸りを上げて威嚇し、できるだけ多くの騎士の目を自身に向けさせる。

「……一人追ってくる。 任せろ」
そう言い残し、グリーンが隊列を離れる。
軽装かつ俊足なハイブであれば、騎士が相手であれ、逃げ切る事が出来るか。
コスチュニンは既に倒され、敵はこちらに向かって来ている。
確かに、このままでは逃げ切れるかどうか、難しい所だ。

「ハブの町で合流を!」
クロトはそう叫び、断腸の重いでコスチュニンとグリーンにしんがりを任せ、全力で逃げ続ける。
肩越しに、グリーンが敵に射撃を加えながら騎士達を誘導している姿が見えた。
上手い。 敵全員がグリーンの方に向かい、追いつかれないように退き撃ちをしている。

あとは、無事逃げ切ってくれる事を祈るのみ……

(追いつかれはしないが……)

敵全員を引き付けようとしたのは、少々考えが甘かったか?
グリーンは俊足の騎士達を振り切れず、延々と荒野を走り続けていた。
このまま永遠に平坦な荒野が続くのであれば、逃げながらの射撃で敵を倒す事も出来ようが……
世の中そう上手く行くものではない。
「待ちな! そこのお前っ!!」

そら来た。
すれ違いざまの一発で足をやられれば、逃げ切れる相手からも逃げ切れなくなってしまう。
さあ、どうする……?!

なんだ。 前から来るのは「飢えた野盗」の連中か。
どうやら聞く耳を持ったリーダーのようだ。
ならば話は早い。

金で解決出来るなら、それに越した事はない。
殺さずに済めば、あの坊や隊長も喜ぶ。

まあ、こうして一時的に友好的になったこいつらが、騎士達と正面衝突するコースにいるという点は、深く考えないでおこう。
俺はそこまでお人好しではない。
さあ、これで追手の心配はもう無い。
合流地点、ハブへ向かわなければ。

スタックを避けるように、西と東に分かれてしまった形、か。
クロト達も上手く辿り着ければ良いが。

ツイていた。
あれが野盗ではなく騎士団だった場合、どうなっていたか。
とにかく、ハブの町まで辿り着く事が出来た。

まだ誰も着いていない。
それもそうか、俺の足は遅く無い。

皆が着くまでのんびりさせてもらおうか。

さて、ハブにはあいつらがいるはずだが……
JRPG種族は顔の見分けが付きにくい。

仕方ない。気は乗らないが、俺から声を掛けてみるか。
「久しぶりね。 あなた一人?」

ハブ所属、対ゾンビ特務部隊・ホワイト隊が再び仲間に加わった。

「見えました! ハブの町!」「70点! 他の皆も無事だといいのだが!」

「おや、君達は……」「ホワイト隊長!!」

「しばらくぶりだな、ブロージオ。逞しくなったのではないか?」
「ホワイト隊長…… ペーツ先輩……」

「あの…… スタヴァ先輩は……?」
「ああ…… お前達と分かれてから、ハブの町にも襲撃が来てな……」


コスチュニンのダメージは深い。
自力での再起動は不可能。

仲間が安全域まで逃げ切った事を確認し、クロトは一人踵を返し、ホーリーネーション領へと戻る。

修理技術なら、クロトもある程度心得ている。

(手遅れになる前に間に合って良かった……)
「結果--良好」
「全てコスチュニンさんのお陰です! すみません……こんな酷い指示を……」
「心配--無用」

愉快、愉快、と繰り返すコスチュニン。
彼らスケルトンの感情は読みづらいが……
おそらくは、笑っているのだろう。
だが、酷い作戦だった事に違いは無い。
出来れば、仲間を犠牲にする戦い方はもう繰り返したくないものだ。
さあ、こんな敵地のど真ん中からはさっさと撤退しなければ。

ハブの町が見えてきた。

中立地帯・ボーダーゾーン。
ここまで来れば一安心だ。

「無事で何よりだ、我が主! なんとか全員五体満足で切り抜ける事が出来たようだな!」
「これもコスチュニン殿のお陰! 吾輩、感服致した!」

酒場で無事の再会を喜び合う一行。
「そちらはどうでしたか?」
「えぇ……」
「我々ハブ特務隊は、シノビの一党の後援を得て、スクイン隊と協力しつつ、体勢を整えつつありました」

「スクインのカン・ルカ隊が製造した防具を受け取り、我々も実戦経験を積もうと、下級ゾンビ相手に頑張っていた」

「だが、やはり我らでは実力不足にも程があった……」
「敵の第2波の数は多く、乱戦の中互いに離れ離れとなり……」

「それから、スタヴァの消息は不明です」
「どこかで生き延びてくれていればいいのだが…… おそらくは、な……」
「そう、ですか……」
「流石に2人だけでは如何ともし難い。
 最近になって、新人も起用した」

「古代オクラン教の教えを異端とされ、国を追放された僧侶……」

異端の烙印を押された元僧侶 マルムボリ
 
「リバース鉱山で迫害を受ける仲間を治療し続けた、元奴隷……」

無念を抱える元逃亡奴隷 バトラー
 
「この2人も、我ら同様、クロト様の仲間として扱って頂ければ幸いです」
「勿論、大歓迎です!
 それで、スクインの方はどうでしょうか。 皆さん、元気でやっていますでしょうか?」
「それはもう、勿論……」

「グッ、コレハナントモ、今日は数が多いですね……!」
「衛兵に助けを求めたホウガイイ、カ!?」

「きゃあぁっ!!」
「フェルン! もう…… 下級ゾンビだからって、油断のしすぎよ!」
「包囲されている……! これは少々、バッドステータスが過ぎるのではないか?」
「ぅおらぁっ!! 美人のねーちゃんを痛めつける悪党共は、このモムソー様が許さねえぜ!!」

「モムソーさん、張り切りすぎです! 突っ込みすぎないで!」
エレマイア、ベッカム、バーン、ドリル、フェルン……
スクインの鉱夫組の危機に、クロト隊が颯爽と駆け付け、ゾンビを蹴散らしていく。

「オツヨイ! ミチガエましたよ、皆さん!」
「そちらも、人工筋肉が随分と太くなったのではないか?」

状況は瞬く間に一転。
綺麗に敵を殲滅し終え、倒れたのはフェルン一人に留まっていた。

もう、彼らステイヤー部隊は逃げ惑うばかりの無力な集団ではない。
快勝である。
そして、スクインの町への帰還。

「この町に残していた素材も多いですから…… 研究が続けられるのは本当に助かります!」
「もう…… クロトったら、すっかりマシニストね」

ハブ隊の新人2人も連れて来ている。
訓練設備を使いつつ、しばらくはスクインで厄介になる予定だ。

こうして、クロト隊、ハブ隊、スクイン隊、3つの特務部隊が合流を果たした。
しばらくは、安全なスクインの町で旅の支度を整える事になるだろう。

だが、そうのんびりともしていられない。
大切な仲間を連れ去られたのだ。
急いで後を追わなければならない。
ドクターを取り戻すため……
故郷に起きた悲劇の真相へと辿り着くため……
クロトの冒険が、再び始まろうとしていた。
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります