気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-44:解明編⑧

 
 
全ての始まりは、父があるスケルトンを蘇生した事。
 
カリヴァン先生、ドクター・チュン、そして、お父様。
南スケイル村の海岸に漂着したスケルトンの頭部を、その三人が力を合わせて蘇生してしまった。

高熱で溶けかけたボロボロの頭部を私達の北スケイル村に持ち帰り、スラルの機体に接合。
その、超古代から存在しているはずの彼は、こうして現代に蘇った。
 
 
 

第四部:解明編⑧ 真相

 
 
 
蘇った彼を、お父様達は「古代種」、エルダーと呼んだわ。
 
彼は研究台Ⅶを使い、何かのデータを発信。
大陸南西部で眠っていた遺跡群が目を覚まし、鉄蜘蛛とスケルトンの軍団が出現。
 
エルダーは機械兵団を操り、村を壊滅させ、ほぼ全ての村人を奴隷として拉致……
お父様、カリヴァン先生、そして衛兵の何人かが殺害され、私達は抵抗出来なかった。
言われるがまま歩かされ、辛くて長い行軍が始まったわ。

ドクター・チュンだけは、彼らに丁重に扱われていたわね。
カリヴァン先生の残した文献も持ち運び、毎日のように高度な議論を交わして……
 
ええ、そう。
機械工学、心理学、医学…… エルダーはお父様達の研究に激しく興味を示していたの。
だから、ドクターは私達の待遇を良くする事を条件として、奴に協力する事にしたのね。
ミウ達も毎日泣いて、怯えて、疲れ切っていたし、それ自体はありがたい事だったけど……
 
考えてみれば、ここでドクターが協力を断固拒否して、私達が全員死んでいた方がよほど良かったと……
 
ドクターはスケルトンとハイブの生体機能の類似に注目して、医学面からのアプローチで「真理」の解明を試みていたわ。
更には、私達人類の全てに至るまで、スケルトンと似通った自己修復細胞を持っている事に注目し……
この細胞の持つ力を「X因子」と呼んで、その機能の解明をエルダーと共に続けるつもりだと……
彼らの会話を盗み聞いて理解出来る唯一の人間である私には、そう聞こえていたわ。
 
他にも、私達と同じ授業を受けていたあの子……
カリヴァン先生の息子だけは、不幸なことに、ある程度彼らの話を理解できてたみたいだけどね。
そのせいで、スケルトン達は彼に色々と酷い事をしていたみたい……
 
天才児と有名だった私は、父の研究をある程度は理解していたし、いずれ奴らに目を付けられるだろう、という事で……
そこから先、私は「ネック」と名乗り、長い間偽名で生きる事になったわ。
 
フフ、本名で呼ばれたのって、随分と久しぶりよ?
 
それから、私達は大陸南部を海岸沿いに延々歩かされて……
道中、次々にスケルトン達が合流し、エルダーの軍団は戦力を増して……
魚人の島を攻撃し、研究所の遺跡を制圧。

ここでドクターの研究は完成に近付いて、最初の実験が行われたわ。
ケルトン達の持つ秘匿技術「G」と、ドクターの研究していた「X」を組み合わせ、遥か古代に中止されていたおぞましい研究を再開。
それは、ドクターとエルダーの目的一致を得て、ついに完成に至った。
 
私達の目の前で、一体の魚人、ガーグラーが、Xセルのアンプルを注入され、巨大化したわ。
低劣ながら、知性らしきものまで獲得して……
 
ドクターとエルダーの共同研究は続き、大陸南東にスケルトン達が居を構えてから以降、私達の生活は安定したわ。

素材の収集や荷物運びなんかの雑事を命じられる程度で、奴隷とは言え、快適な生活で……
次第に、スケイルから連れ去られてきた皆も、彼らに進んで協力するようになっていったの。
一体何を手伝わされているのかも知らずに、ね。
 
そうして古代遺跡の拠点化を進める一方、カリヴァン先生の研究も引き継がれ、解明が進められて行ったわ。
先生は人間の精神・頭脳の仕組みを解き明かす事が、スケルトンの精神・頭脳の解析にもつながると信じ、ドクター・チュンと共同で、「自らの手によるAIコアの製造」を目指していた……
その研究は、恐ろしい事実を突き止めるに至っていたの。
 
ハイブの脳内には、女王からの命令を受け取るための器官が存在するって、知ってる?
 
ええ、そうよ。
 
巣無し、ハイブレスと呼ばれるのは、その器官に障害を生じた個体なの。
 
その器官は……
 
私達人間にも備わっていたのよ。
 
あら? その顔からすると、クロトももう理解したようね?
 
ええ、ご想像の通りよ。
話を続けるわね。
 
エルダーは、「スキンスパイダーに命令を伝えて使役する人間」が実在している前例からして、それを実現可能だと判断したのよ。
 
遺伝子操作 Gテクノロジー
生体強化 Xテクノロジー
 
そして……
 
精神操作 Zテクノロジー
 
この3つの技術を用いて、
全人類の精神を操作し、第二帝国による人類支配を復活させる。
 
第二帝国皇帝キャットロンに成り代わり、南東アッシュランドに潜むスケルトン達を再び統合し、全人類を奴隷とした機械帝国を復活させる。
それこそがエルダーの最終目標だったのよ。
 
事ここに至って奴らの本当の目的に気付いたドクターは必死に食い下がって、協力を拒んで……
密かにマシニストやテックハンターにメッセージを送信。
緊急事態を知ったテックハンター達は、最も近い位置にいる強力な軍団、すなわち、反奴隷主義者に助けを求めたわ。
英雄ティンフィストがエルダーの拠点を襲い、私達は解放され、タンサー村に保護された。
父の始めた辺境開拓計画の村、その一つね。

テックハンターや反奴隷主義者に守られ、そこで新たな暮らしを始めたけれど……
 
正直言って、エルダーに飼われていた時の方が遥かに快適でね。
村人達の間に派閥が出来て、次第に相争うようになって……
悲劇が起きたのは、そんな時だったわ。
 
残虐な連続殺人事件が起き、その直後にスケルトンの襲撃。
反奴隷主義者達は不在で、テックハンターの衛兵は全滅。
村の防壁は崩され、発電施設も失い、村は壊滅。
生き延びた村人達は放浪の旅に出る他無くなったの。
 
エルダーの報復攻撃なのだろうとは思うけど……
攻撃が始まる前の殺人事件の真相は分からず終い。
 
グチャグチャにされた遺体は誰のものかも判別できなくて……
ドクターも行方不明で……
 
貴方のお母さんが行方不明になったのもその時よ。
元々病弱で、タンサー村に移ってからはますます体調が悪化していて……
ごめんなさい。 あの人の事は、よく分からないの……
 
私とミウは、なんとかして西へ……
都市連合領を目指して……
それから……

奴隷市場。
人狩りに襲われて、あの忌まわしい町で、奴隷として、私とミウは……

そう、ね。
都市連合を滅ぼしてやるって…… そう思ったのは、あの町のせい。
 
以前、ティンフィスト達が大暴れしていた「赤の叛乱」ってのが続いてたでしょ?
食料の流通も、軍の移動も寸断されて、あっちこっちで暴動続き。
ハムートって人がその混乱に便乗するようにして起こした叛乱で、私とミウは奴隷市場から逃げ出す事が出来たわ。
後は、ミウから聞いてるでしょ?
 
私とミウは、スワンプの村まであと少しで辿り着くって所でブラッドスパイダーにやられて、致命傷を負ったわ。
そこに、ギリギリの所で駆けつけてくれたドクター・チュンが……

ん? ブルーアイズ?
フフ、クロトはそこで気付いたのね。
 
そう。
 
ミウの瞳の色。

復元手術の後、黒ではなく、青い瞳になっていた。
 
そう。
彼女は大人の姿に改造される前に、青い瞳だったという事。
ミウはスパイダーに目をやられたから……
 
私の目を移植したの。

私はもう、内蔵を抉り出されていて、絶対に助からない状態だったからね。
でも、ドクターは諦めなかった。
私の頭脳が、エルダーの野望を食い止めるためには必要だって言ってね。

私もミウも、二人とも助かった。
ツインブレードの抱えている「臓器提供者」の少女の一人に、私の脳を移植したのよ。
 
そう。 スラルにエルダーの頭を移植したように、ね。
人間は、そうやって肉体を乗り換える事だって可能なのよ。
ドクターの開発した「X-セル」さえあればね。
 
そこからは、ヤバい事になるって分かってたから……
ミウの事は、ドクターに任せて、そこで別れる事にしたわ。

それから……
ツインブレードに私の持っている知識を与えながら……
どうすれば人類を破滅から救えるか、必死に考えたわ。
 
スワンプの犯罪組織の持つ情報網を使って情報を集め、都市連合内部にまで既に第二帝国の影響が及んでいると知って……
まずは、麻薬を使った貴族の切り崩しを実行に移す事にしたわ。
 
ツインブレードとブラックシフターは、私の考えに賛同し、すぐに計画を実行に移してくれた。
テックハンター、反奴隷主義者とも、すぐに話を付けられた。
二派に別れた帝国貴族のうち、私は皇帝一派に味方するように動き始めて……
 
密輸ルートの構築は迅速に進んだけど、

ビッグ・ハッシュの親分は、急激な改革を認めようとしなかった。
だから、始末したの。
 
どれだけの犠牲を出そうとも、一秒でも早く奴らの陰謀を打ち砕かなければ……
そう思ったから、ハッシュのクランには、消えてもらったの。
 
……結論を焦らないで。
私達には都市連合を内部から攻める必要があったのよ。
 
ハウンズを使って、スワンプの実権を握る事にしたのも、全ては人類を救うため。
私は、貴族相手に個人的な復讐をしていた訳じゃない。
無辜の人々を不幸に陥れてまでも、やり遂げなければならなかった……
 
でも、間に合わなかった。
 
ええ。
ティンフィストは私達を解放してくれたけど、ヤツを倒したワケでは無いから……
ドクターを欠いて、エルダーの研究は中途半端なものになって……
 
空の彼方、星々の間に浮かんでいる巨大兵器「コロッサス」を用い、全人類に対してZ-レイを照射する最終作戦。
 
今で言う、「転換の日」が訪れたってワケ。

あの緑の光、Z-レイの効果は絶大だったわ。
 
元々受信器官の解明が進んでいたハイブ達は殆どやられてしまった。
フォグマンに似た、「ゾンビ」と呼ばれる状態に変化し……
エルダーの下した命令、「人類を滅ぼす」と言う指示を今も実行し続けているのよ。
 
でも、研究の浅い人間の方では、目論見通りに行かなかった。
抵抗力が強く、受信器官に命令が届かなかった者も多く……
受信してしまっても、小さな影響で済んだ者達も多かったわ。
 
そう。 それがあなた達ステイヤーと呼ばれる存在よ。
 
ゾンビによって世界中が大きなダメージを受けたけど、それは、エルダーの目論む第二帝国の復権には程遠かった。
完璧主義者のスケルトンだもの。 次こそは完璧な計画にしようと考えたでしょうね。
次にヤツがZ-レイを発動するまでに、幾らか時間的余裕が出来たはず。
 
テックハンター達はあと半年もすれば再充填が完了すると言っているから……
残り時間はそう多く無い。
 
南東の魔境を乗り越え、大兵力でもってエルダーの軍団を叩き潰すためには、テックハンターや反奴隷主義者だけでは足りない。
浮浪忍者やスワンパーからしてみれば、南東まで遠征するのは無理難題が過ぎる。
どうしても、都市連合を動かす必要があったのよ。
 
だから、ゾンビ鎮圧を目的とした、自由行動が可能な兵団を組織する事にしたの。
ロード・ナガタの弱みは握っていたし、あいつを操るのは簡単だったわね。

スワンプから買い取った女達を侍らせるって御大層な趣味をお持ちでしたから? 浮浪忍者を潜り込ませるのは難しい事ではなかったわ。

ナガタは皇帝一派の貴族だけど、皇帝の命令通りに麻薬を取り締まる名目で、砂忍者や酒樽のエリスを抱き込んで、横取りしようと目論んでいた。
義賊エリスが私達と通じているとも知らずにね!
 
ナガタは、ブラッドラムをかき集めて私腹を肥やすばかりか…… 自分でも嗜んでいたわ。
 
だから、ラリッた頭じゃ、私がエリスに命じてブラッドラムをスプリングに運び込ませている事にも気付けなかった。

内調の者に横領を見咎められてからノーブルハンターの粛清を受けたって聞いたけど、フフ、ナガタのヤツ、まだ生きてるのかしら?

 

あら? 流石のクロトも、そこまでお見通しでは無かったの?
 
ええ、そうよ。
特務隊を編成するようにナガタに働きかけたのは、私。
 
転換の日以前から、貴方の存在には気付いていたのよ?
エリスを逮捕したのがクロトだって知った時は、本当に驚いたわ。
 
そうそう…… 覚えているかしら?
転換の日に、貴方がホーリーネーションの要塞に捕まった時、スケルトンとの戦闘があったでしょう?

あのテックハンターを送り込んだのも、私達よ。
フフ! たまたまクロトを助ける事になっただけなんだけどね!
 
新任の審問官とは、対第二帝国で協力する方向で話を進めていたのだけれど……
「スケルトンと通じていた」って難癖をつけられて審問官ラミエルは失脚。
会合予定だったラミエルではなく、極左のヴァルテナが要塞に赴任してしまったというワケ。
 
ん? 極右?
 
いえ、極左であっているわ。
 
彼らがオクラン原理主義を掲げているのは、形だけの事。
その実、亡国、売国の道をひた走っているのが彼らよ?
 
話が飛躍?
 
そうかしら…… 分からない?
私が都市連合を攻める理由も、そこにあるのよ。
 
都市連合は、言うまでもなく、
 ・帝国皇帝・テング派
 ・ギルドマスター・ロンゲン派
の二派に分かれているワケだけど……
 
ホーリーネーションは、
 ・実務主義
の二派に分かれていたの。
 
都市連合では通商ギルドを牛耳るロンゲンがどんどんと力を伸ばし、ホーリーネーションは原理主義一色に染まりつつある。
ロンゲンは貴族が儲ける事ばかりを考え、民を切り捨てて国力を喪失する道を歩んでいて、ホーリーネーションでも言わずもがな、異常過ぎる弾圧で自滅の道を歩んでいるでしょ?
偶然だと思う? 人類の基盤となる大国が同時に滅亡しつつある事が……
 
ええ。
これも、スケルトン…… 第二帝国の陰謀。
 
ホーリーロードフェニックスとギルドマスター・ロンゲンが裏で手を結んでいるって話、知ってた?
 
一見人間にしか見えないロンゲンの正体が、ドクター・チュンが手術したハイブの天才商人だって、知ってた?
 
テックハンターやハイブ商人達に高度な技術を与えたのは、誰だったと思う?
 
第二帝国は人知れず、着々と人類の世界を崩壊させていたのよ。
ケルトンを悪魔と呼んで全滅させる事を国是にしているホーリーネーションが、スケルトン達にいいように操られている。
都市連合も、トレーダーズギルドの策謀によって着々と内部崩壊が進んでいる。
お父様達は、それを知っていたから、辺境の地で反撃の準備を整えていた……
 
そこまで分かったのは、最近の事。
流石に笑ったわ。
人類はどこまで愚かなの?ってね。
 
つまり……
ホーリーネーションという国家は今、国を自滅させる使命を受けた皇帝が統治しているのよ。
国民からして見れば国粋主義者の極右王朝に見えるけど、その正体は極左王朝ってワケ。
 
どいつもこいつも、頂点に上り詰め、権力を握った連中は、超越者の悦楽を求めるものなの。
そこに、第二帝国の手の者が、不老不死の肉体の存在をチラつかせ、この世ならざる美しい女達を送りつけて来たら?
 
幸い、浮浪忍者達の活躍で美女達はとっくにこっちの味方だけどね……
 
とっくに、世界は奴らの掌の上に握られていたのよ。

テックハンターも国家に逆らっては活動が出来ない。
反奴隷主義者も敵地で孤立していて身動きが取れない。
魔境南東に攻め込むためにも、世界の自滅を防ぐためにも、私達には国家を揺るがす必要があった。
 
軍事力も、権力も、私達には無い。
テックハンター、マシニスト、浮浪忍者、反奴隷主義者、傭兵ギルド、それに、各種犯罪組織……
味方は多いけど、私達には国力が無い。
 
正体不明のボスが密偵を動かすだけでは、信頼関係は構築出来ない。
団結するためには、表の顔が必要だったの。
そこに都合よく現れたのが、貴方。
 
ねえクロト、これって運命だって、感じてしまっても仕方ないでしょう?
村にいた男の子の中では一番マシだったから……
そう思ったから、貴方と結婚すると早々に宣言をした。
ミウ達に取られるより早く、予約を済ませておいた。
ただそれだけのはずだったのよ。
 
たまたま私が送り込んだ使者が、「オクランの盾」から貴方を助ける事になって……
それで貴方は転換の日を生き延び、この世の最底辺の存在に成り果てても尚、逞しく生き延び……
貴方は立派な「隊長」に成長した。
 
私と言う闇の存在と対象的な、光の存在に育てたい。
そう思って、貴方の運命を弄んだとして…… それが悪い事だったとは思わないわ!
 
ピカリング達三姉妹の仕業だと思ってた?
フフフ…… まあ、あの小憎たらしい金髪の女なんかは本気でクロトの事狙ってたみたいだし、それほど入れ込んでいてもおかしくはないけれど!
それはそれとして、浮浪忍者にそこまでの組織力・行動力は無いわよ。
都市連合やトレーダーズギルドに密偵を潜り込ませているのは、殆ど私の指示だもの。
 
あくまで、彼女達の版図はホーリーネーション側。
入れ代わり立ち代わり、JRPGの女達がクロトの部隊に合流し、情報と人員を交換していったのも、そういう事よ。
 
ええ、そう。
クロトが「誰かに見られている」と感じていたのも、そういう事なの。
 
そんな顔をしないで。
 
それでも……
私が浮浪忍者を数人送り込んだくらいで、運命なんてそうそう変わらないでしょ?
 
よく思い出して。
貴方は、これまで自分の力で戦い抜いて来たでしょう?
 
貴方が死んでも、浮浪忍者のモール、反乱農民のシミオン、伝説の剣豪アーク、等々…… 次の「表看板」候補は何人かいたわ。
私は、クロト一人にかまけている余裕も無かったしね……
 
そのつもりだったというのに……
 
それが、こうよ。
 
気がつけば貴方は、私が操るまでもなく、各派閥との同盟を取り付けていた。
私達ではどうしようもなかった、頭の固いシェク王国までもが、特務隊を通じて味方になってくれた。
まさに運命の人、でしょ?
フフ。
 
スクイン、ハブ、ワールズエンド、シャーク、カタン、それぞれに自分達の拠点を作り……
浮浪忍者、テックハンター、ハウンズ…… その他諸々、一体幾つの勢力と同盟を結んだかしら?
その交渉を成立させて来たのも、全て貴方の力。
 
信頼出来る仲間達に支えられた、若き隊長……
そのチームを作ったのは、他の何者でもない、貴方一人の力なのよ!
 
言わば、貴方はもう、都市連合と言う枠を越えた、新たな派閥の首領。
 
貴方は王なのよ!
 
さあ、どうするの?
覚悟を決めなさい。

麻薬王を妻に娶り、人々を苦しめる魔女と手を取って、世界を救う戦いに赴く勇気はあって?
絆を深め、互いに愛し合う少女を捨ててまで、この穢れた邪悪な女との婚約を守るって、本当に本気で言っているのかしら?
 
さあ、クロト! 決めなさい! 貴方の生き方を!
 
・・・・・・・・・・・・
 
馬鹿ね、本当に……
 
 

ミウにも、ダルパンって子にも、ちゃんと謝っておくのよ?
貴方達はこれから、死地に赴く事になるのだから……
 
先に済ませておく事は、ちゃんと済ませておきなさい。
私が許すわ。
 
全部、全部許すから。
 
心の決着を付けてから、笑顔で旅立つようになさい。
 
 
 
 
 

罪悪感?
私が?
 
・・・・・・・・・・
 
そう、ね。
 
そうだわ。
 
多くの人を踏みにじってここまで来た私が、あんな小娘に負い目を感じるなんて……
小娘は、私も、か。

じゃあ、敢えてこう言いましょ。
 
『この戦いが終わったら、私達、故郷で結婚式を挙げるんだ』
 
……ってね!
 
ワクワクするじゃない。
これから何が起きるかわからない、未来に変転の余地を残した誓い!
この世界はいつだって突然に運命を弄ぶ。
だから、面白いの。
 
これからも、一緒にこの世界を楽しみましょう?
ね、私のかわいい剣士様!
 
 
 
 
  < 第四部 解明編 完 >
 
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります