気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-39:解明編③

現在、スワンプには大きく分けて7つの組織が存在する。
 
 
麻薬組織 ハウンズ 

現在スワンプを牛耳っている支配組織
ボス:ビッグ・グリム
本拠地:シャーク、ロット
 
 
賭博・金融組織 ブラックシフター

賭博場を取り仕切ると同時に、高利の金貸しを行っている。
ボス:ビッグ・ダークブロウ
本拠地:シャーク
 
 
人身売買・臓器密売組織 ツインブレード

借金を背負って身売りした人間を売買する他、誘拐・拷問・暗殺も請け負う。
ボス:ビッグ・ファング
本拠地:マッドタウン
 
 
密輸組織 グレイフレーヤー

スワンプから外部への違法品輸出を取りまとめている。
ボス:ビッグ・グレイ
本拠地:グレイフレーヤー村
 
 
用心棒組織 ストーンラット

かつては要人警護、及び店舗の警備を行っていたが……
ボス:ビッグ・アル
本拠地:ストーンラット村
 
 
相争っていたこれら組織を、大親分・ビッグ・ハッシュ率いる「ストーカークラン」が取りまとめ、スワンプの秩序は保たれていた。
だが、ハッシュ暗殺事件を契機として、ハウンズの時代が訪れる。
 
旧クラン陣営、ツインブレードとグレイフレーヤーは、陰謀の色濃いこの交代劇に異を唱えた。
だが、クラン陣営寄りだった2派閥、レッドサーベルとスワンプ忍者……
 
 
暴力団>強盗団 レッドサーベル

鉱夫組合から始まった攻性組織が、クラン解散後に残党を受け入れ山賊化。
ボス:RB
本拠地:レッドサーベルの隠れ家
 
 
窃盗団>強盗団 スワンプ忍者

元々はスワンプ内の盗賊ギルドだったが、独立して野盗化。
ボス:シェード
本拠地:スワンプ忍者の隠れ家
 
 
この2派閥がどちらにも与さず、独立して去って行った事で戦力差が決定的となり、やがて、ハウンズがその勢力を伸ばすに従い、クラン陣営も抵抗をやめ、秩序を取り戻す事を優先するようになっていった。
 
そして、スワンプに仮初めの平穏が訪れた。
 

 
中心都市シャークは、麻薬、詐欺、恐喝が横行する、貧者を沈めて喰い者とする泥沼の犯罪都市として、さらなる発展を続けていく。
 
刺殺屋モムソーは、そんな中、最後までハウンズに抵抗を続けていた生粋のクラン派。
ストーカークラン、最後の生き残りと言っていい男だった。
 
その彼がクロト達を案内した先は、シャークから、北東……
 
 
 
 

第四部:解明編③ グレイフレーヤー村 ~ ストーンラット村

 
 
 
 
「着いたぜ!」

モムソーに案内されて辿り着いたのは、マッドタウンから東に向かってすぐの場所……
「グレイフレーヤー村」だった。
 
「……フム、その徽章、特務隊の者か。
 いいだろう。 厄介事は起こすでないぞ」

 
モムソー曰く、グレイフレーヤーはスワンプ諸勢力の中では「一番話の通じる奴ら」との事。
情報に疎いストーンラットとは違い、ハウンズやツインブレードを通じて既に特務隊の事は知っているらしい。
 
村に入るなり、モムソーはクロトを連れ、村外れの一角へと向かった。
そこにあるのは、一件の小さな小屋。

「ここが、本部だぜ」
 
ツインブレード同様、民家を本部とする形なのか。
まさか、こんな所に麻薬密売組織の本部があろうとは。
 
「失礼します」
「おう、何者だあんちゃん」

 
 
グレイフレイヤー首領 ビッグ・グレイ

 
「誰だか知らんが、怪我しねぇうちにとっとと出ていきな」

 
「ま、そう言うなよ。
 誰だか知らねぇなんて、そんな寂しい事言うもんじゃねーだろ?」
「ん……? なんでぇ、馴れ馴れしい野郎め」

 
「おいおい、俺の顔を忘れちまったってか?」
「馬鹿野郎! んなモン被ってて顔もクソもあるかい!
 って、ん? その声は……」

 
「ヘッ、顔は変えても、声までは変わんねぇからな」

「モムソー! お前、モムソーか!
 っんだよオイ! その肌で分かれってのが無理だろうがテメェ!」
 
「無茶な手術だったけどよ! お陰でなんとか生き延びられたってトコさ」
 
「おうおう、よく戻った、俺ぁ嬉しいぜ兄弟!」

「で、姿を消してたお前がこうして正体を明かしに来るってこたぁ、なんか頼み事があるってぇコトだな?」
 
「ああ。ファングの兄貴が「仁義」なんて言い出すもんでよ……
 ストーンラット、俺達特務隊の手で潰せってな。
 こりゃあ、いよいよ反撃の機会が訪れたか!? っコトよ」
 
「ストーンラットを!?
 ヤツめ、ようやくボスに楯突く気になったか」
 
「で、だ。俺達としちゃ、ハウンズやシフターの連中に睨まれる前に、周囲を固めておきたい訳で……
 なあ、クロトのあんちゃん。
 まずはグレイフレイヤーと同盟を結ぶってのはどうだい?
 これで他勢力に対する俺達の影響力が大きくなるってもんだろ!」
 
「なるほど…… ストーンラットを攻撃する前に、他を敵に回さないための下地を作っておく、と、そういう事ですか」
 
「ははは!
 それで真っ先に俺達グレイフレイヤーに話を持って来るたぁ、気が利いてるぜモムソー!」
 
「じゃ、同盟は……」
 
「金だ」

「お、おぅ?!」
 
「いくら盃を交わした兄弟の頼みっつっても、そうホイホイと安請け合いしちゃあ、部下に示しがつかねぇ。
 2万キャット、出してもらうぜ、そこの隊長さんよ」
 
一応は、クロト達も都市連合に所属している身。
本国にアジトの情報を持ち帰られては困るはず。
そこを曲げて信用し、同盟を結んでくれると言うのだ……
 
「分かりました」

「分かりましたって…… えらくあっさり言いやがるな」
 
たかが2万キャット。
安いものだ。
 
「グレイの兄貴。このあんちゃん、只者じゃあねぇのよ。
 3つの町に支部を持つ大物だぜ?」
 
「ハッ! 流石、モムソーが見込んだだけの事ぁあるな!
 いいだろう! ならば、今日から俺達グレイフレイヤーも、お前たち特務隊の同盟者だ!」
 

 
「兄貴、あいつらのアジト、以前と変わっちゃいねぇのかい?」
 
「おう」

 
「シャークの南、丘に挟まれたこの辺りだ」

「ありがとうございます、助かります」
 
クロトの地図に、ビッグ・グレイが矢印を書き入れた。
 
目標は定まった。
特務隊初の攻撃作戦が、いよいよ始まろうとしている。
 
 

 
道中、クロト達一行に襲撃を仕掛けて来る者達がいた。

緋色の揃いの衣装を身にまとった野盗集団。
レッドサーベルだ。
 
都市連合の徽章を着けてスワンプを訪れると、普通はこうなる。

彼らに特務隊との同盟がどうこうと言った話は通じない。
他所者も、放浪者も、全てが「獲物」だ。
 
「ったく、こいつらもすっかり顔ぶれが変わっちまって……
 親分が生きてりゃ、こうはならなかっただろうによぉ……」

襲撃を返り討ちにした後、モムソーはその面々に知った顔が無いかと確認している様子だった。
 
レッドサーベルには、シャークの町から追放された、かつてのストーカークランの残党が多く含まれている。
モムソーからすると、気分のいいものではないのだろう。
 
「まったく、世話の焼ける連中よな」

また、いつものようにレッドサーベル達の治療をしてからその場を去る。
 
「昔は生きていくのでやっとだったから、こんな殺し合いはそうそう無かったがよ……
 いつの間にか、スワンプもこの有様。
 ……クロトのあんちゃんよ、俺ぁ、あんたのやり方、案外デカい効き目があるんじゃねーかって思うぜ。
 あの頃は、昨日斬りあった連中と、今日は酒を飲んでいる、なーんてのも、よくある話だったもんでよぉ」
 
「ええ。 分かります……」
 
モムソーの言葉に、クロトは大きく頷く。
生存のために互いに手を取り、スワンプはここまで発展して来れた。
ゾンビの蔓延する世界でこれからも生き延び続けるためには、この調和を乱す訳には行かない。
 
察するに、ストーンラットは、その和を乱す「邪魔者」となったのだろう。
切除する事で、この地の平和が保たれるのなら……
 
クロトは覚悟を新たにし、スワンプを南へと進んでいった。
 
 
 

 
「どうでした?」
 
「正門には完全武装の衛兵。裏門や櫓にも多数。
 力押しでは危険だろうな……」

 
グリーンがステルスレッグを活かして偵察を終え、クロトに報告する。
 
昨今はすっかりゆすりたかりのチンピラ同然となっているが、元来は用心棒稼業。
スワンプ最弱派閥と見られるストーンラットとは言え、弱体化現象の被害者ばかりで攻勢される特務隊の面々で立ち向かうには、未だに力不足。
 
「さあ、我が主の作戦はいかに?」
 
「夜襲を仕掛けます」
 
「まず、日暮れを待ち、門番を急襲します。
 5人程度が相手なら、僕達の戦力でも十分勝てるでしょう」
 

 
「僕達で正面から受け止め、射撃班による側面攻撃を行い、他の敵に気取られないよう、一気に片をつけます」
 

「弱者を食い物にする悪党どもめ……」
 
「ウム。ハムート殿も腕を上げて来られたな!」
 
「こちらに損害は殆どない。ここまでは完璧だな、我が主よ!」
 
「これで正門はがら空き。
 突入後の退避ルートが確保出来ました。
 傷の手当が終わり次第、奴らのアジトに乗り込みます!」
 
 

 
 
暗がりの中、クロト達一行はストーンラットの本部へと接近して行く。

 
「失礼する!」

敵将をシェク戦士と見て、勇躍、馬が一人先頭を切って突っ込んでいく。
 
 
ストーンラット首領 ビッグ・アル

「なんだぁ? テメェら……見ねぇ顔だな」
 
「お主がここの大将、で合っているかな?」
 
「おお、俺様をストーンラットのボスと知っての狼藉か? 他所者さんよぉ!」

「我こそは馬、都市連合所属、特務部隊の侍、馬!
 ビッグ・アル! お命頂戴!!」

「ハハハハ! 砂漠野郎がスワンプに手を出そうたぁ、後悔する事になるぜ!
 俺達の背後にゃ、なんたって…… ああ、そういう事かい。
 だから侍がノコノコと出てきやがったのか」
 
「ここでは互いに戦り辛いであろう。さあ、表に出ようではないか」
 
「応よ。話の分かる刺客だ! 楽しませてくれよ!」
 
「特務部隊・隊長、クロト。 参ります」
 
「ストーンラット首領、アル。 行くぜ」

相手を小兵と見ても油断はしていない。
人数の上では侍達が上。
包囲され、逃げ道が無い事はアルも理解している。
 
「死ね!! 小僧!!」

挑発に応じるように、アルとその部下達は隊長であるクロトにまず斬り掛かっていった。
 
戦いは全くもって正々堂々ではなく、背後からは容赦なく射撃部隊の弾幕が飛ぶ。
敵アジト前の狭い空間に敵味方が入り乱れ、戦いは密集状態での乱闘となる。

射撃隊は誤射を恐れて威力の低い飛び道具に持ち替えているが、隊列からダルパン一人が飛び出し、敵将・アルのがら空きの側面を取る。
 
「そこ……!!」
 
スプリングバットの強烈な一撃が決まり、ビッグ・アルはたまらず昏倒する。

 
「確保ッ!! 総員、撤退っ!!」

クロトが気絶したアルを担ぎ上げ、全員で一斉に門に向かって走る。
 
殆どの人員が寝ている今、ストーンラットにとって状況は多勢に無勢。
劣勢の中、退却を始める背中を少々斬りつけようとも、効果的なダメージとはならなかった。

 
ダメージは許容範囲内。
無事ストーンラットの村からの撤退に成功。

クロト隊初の攻撃作戦は圧勝の形で終わった。
 
矢傷によるものか、気づけばビッグ・アルの片足は吹き飛んでいた。
すぐに止血出来なかった事から、彼は既に命を落としていた。

とどめを刺すまでもなく、暗殺任務は既に果たされていたのだ。
 
「懐、探らせてもらうぜ」

モムソーはビッグ・アルの遺体を探り、顔をしかめる。
 
「ブラッドラム、か…… 飲んでやがったな」
 
自分達の武器で自滅する。
一度は自暴自棄の果てにクスリに逃げたモムソーから見れば、そうなる心境は分からなくもない。
だが……
 
「こいつは、何もかもボス失格だぜ…… ケッ」
 
吐き捨てるように呟き、地面に酒瓶を投げつけて叩き割る。
……その瓶にグレイフレーヤーの刻印が刻まれている事には、クロト達は気付かなかった。
 
 
兵を率い、敵を討つ。
侍を目指していた身としては、一世一代の晴れ舞台と言ってもいい。

一兵卒として働いていた時から、とうに敵兵の血で手を汚してきている。
とっくに覚悟は出来ていたはずだが……
 
今、都市連合から離れ、自己判断で戦っている特務隊として、「自分の判断で人間を殺した」という事実が、クロトの胸に重くのしかかっていた。
 
 
 

 
 
クロト達はストーンラット村近くで野営し、戦いの傷を癒やした。

 
 
一夜明け、一行は敵地の様子を伺う。

 
彼らに動揺は見えない。
まだ変事に気づいていないのか、死体が幾つか転がっていても気に留めていないのか。

夜陰に紛れての急襲で、交戦しなかった敵も多い。
兵力は健在。
無駄な戦いは避け、このまま帰還した方が賢明なようだ。
 
もうここに用は無い。
村の傍らを駆け抜け、一行は北に向かって出発する。

 
「ボス…… どこに行っちまったんですか! ボスーっ!!」

 
「くそっ! 匂いを嗅ぎつけて来やがったな!」

村の中にブラッドスパイダーが入り込み、死肉を喰らい始め、ようやくストーンラット達は頭領の姿が見えない事に気付き始める。
 
そして……

死者が死者を呼び、混乱が始まる。
 
「クソがっ!! てめぇらなんざに殺られてたまるかぁ!
 せっかく、せっかく運が向いて来たトコだってのによぉぉ!!」

だが、彼らはまだ知らない。
襲いかかる敵が、蜘蛛やゾンビだけではないという事に。
 
 

 
 
 
「で…… アルの野郎は?」

「結構。 ならば出陣だ。 大至急、都市連合にやられた奴らの村を『保護』する!」
 
(これで、ホーリーネーションの手駒を潰したのは都市連合って事になる。
 俺達はただ、治安を維持しているだけ……)

(アンタの策略はいつもいつもピタリと当たってくれる。
 今後ともよろしく頼むぜ、ビッグ・ボス)
 
 

 
 
 

 
 
(投資は失敗、か…… チッ……)

(まあ、いいさ。
 酒でもやりながら、また次の機会を待つだけってね……)
 
 
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります