気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi ZA-12:大砂漠編⑪

自身の記憶の異常を知り、呆然となったのも束の間。
特務部隊の隊長に昇格。故郷へ帰る事も許された。

記憶に歪みがあったとしても、南西に故郷がある事には違いない。
複雑な感情を押し殺しながら、遥か彼方を目指し……
クロトの帰郷の旅が始まった。
 
 
 

第一章:大砂漠編⑪ スロート

 
 
 
 
一気に長距離を移動する危険を冒さず、まずは直近の「ストーンキャンプ」……奴隷採石場へ。

「ダメ…… 砂質は良いけど、どうしても、水分が……」
「やっぱ大砂漠で農業は難しいわなぁ」

グリーンフィンガーは地面に指を刺し、土地柄の分析をしていたが、やはり、彼女達が理想とする土地には程遠いようだった。
 
 
酒場でしばしの休息を取った後、すぐに出発しようとしたのだが……

突然、スキマーの襲撃が発生。奴隷商の衛兵達に協力。

無論、クロト達の実力ではスキマーに抗し得ない。
砲台を使って援護するのが精一杯ではあったが。
 
スキマーの肉を補充出来たのはありがたかったが……

止血が間に合わず、命を落とす衛兵もいた。
 
重装の衛兵ですらこうなのだ。
非力で軽装のクロト達がまともに太刀打ちできる相手ではない……
砂漠の危険性を改めて肝に銘じるクロト達であった。
 
ただでさえ奴隷達のキャンプ地に逗留するのは気分がいいものではない。
傷の治療が済み次第、一行はストーンキャンプを後にした。
 
キャンプを出てからも、砂漠の恐怖は大きく牙を剥いた。

ゾンビの大群と、スキマーの群れとの戦い。
いつまで経っても、あの「数」に対する恐怖は薄れない。
 
これは本当に現実なのかと疑いたくなるような、圧倒的な光景。

人間の戦士を軽々と屠るスキマー。
そのスキマーが、瞬く間に屠られていく。
 
絶対に巻き込まれる訳にはいかない。
大きく迂回し、死の嵐を避けて進む。
 
やがて、目的地、スロートの町が見えてくる。
無事、今回も生きて砂漠を渡る事に成功した……

スロート。 または、(旧名)ストート。
第二帝国の名残を感じさせる、とかで、改名させられた町。

様々な店舗が立ち並ぶ、都市連合本国を支える大都市のうち一つ。
国土中央にほど近く、行き交う旅人も多い。
ここでなら、様々な情報が得られるかもしれない。
 
まず現地防衛隊の兵舎へと向かい、司令に挨拶を済ませに行くべきではあるが……

時刻は真夜中。司令も起きてはいない。
 
先に憲兵隊の方へと向かう。

「特務隊編成の話は聞いている。
 諸君らにあっては災難であったろうが、各々出来る事で国家に貢献してくれたまえ」

やはり、ゾンビの処理はどの町でも嫌悪される仕事のようで、クロト達のような「なり損ない」にはうってつけの仕事だった。
 
スロートでも、自由に「収穫」する権利を確保できた。
 
と、町の表通りがにわかに騒がしくなる。

 

「早速仕事だ。ゾンビのトドメ、任せても良かろうな?」
「はい! トドメを刺しても起き上がるタイプもいます。
 お気をつけて!」

これが特務隊としての初仕事となる。
良い所を見せなければ!
 
町の門の前に、相当数のゾンビの大群。
一部は町の中にまで入り込んでいる。

侍達が倒れれば自分達も危ない。
クロト達一行は迅速に行動を開始した。
 
勝てる相手に的を絞る。
既に友軍の手で倒され、再び起き上がって来たゾンビを選び、攻撃を仕掛ける。

安全策を取り、単体で行動する敵を数で包囲し、着実にトドメを刺して行く。

正門付近と、都市に入り込んだゾンビは片付け終えた。

シノビ盗賊団の連中も、このような事態にあっては協力的で、共にゾンビを叩き出してくれていた。
 
やがて、必死の援護の甲斐もあり、戦いの趨勢は決した。
 
寄せる波のような大群を受け止めきった侍達が門外へと戦線を押し上げ、喧騒は町から遠くなっていく。

が、ここで他人事だと休む訳にも行かない。
まだまだ掃討戦は続く。
長い夜になりそうだ。
 
 
侍達の援護を終え、去りゆく一団があった。
見慣れない風体に、初めて目にする徽章。

クロトは、共闘の礼を言うべく、彼らに接触するが……
 
彼らは、自らを「ゾンビハンター」と名乗る一団だった。
科学者と名乗る男は、一団を率い、諸国を周りながらゾンビ狩りを続けているらしかった。

物資は乏しいが、士気だけは高い……
そんな危うさを感じさせる男達。
彼らを突き動かすのは、復讐心か。
 
謎の一団に別れを告げ、侍達の援護に戻る。
 
夜が明け、朝日が砂漠を照らし始めている。
侍達はゾンビの群れに引っ張り出されるようにして、町から遠く離れた砂漠の只中へと戦線を移していた。

戦死者が出ないように、そんな侍達の治療をして周りながら、一体一体倒れたゾンビの始末をして回る。

戦闘能力を失い、這いずり回るゾンビは格好の標的。
クロト達は良い戦闘訓練を行う事が出来た。
 
こうして、僅かずつであれ実戦の勘を取り戻して行かなければ、この先も続く長い旅を乗り切る事は出来ないだろう。

 

「怪我は無いですか、皆さん!」
 
「へへっ、全然平気だよ、クロト!」
 
「良い指揮でしたわ、クロト様!」
 
「案外楽なモンやったなぁ!」
 
「バカモン! 侍達のお陰じゃ、慢心するでない!」
 
 
やがて、日が昇りきった頃、ようやくにして砂漠に静けさが戻る。

大半のゾンビの駆逐が終わり、後は内蔵を抜いても尚起き上がってくる厄介な連中を殴り倒して回るだけ。
そろそろ引き上げてもいい頃合いだろう。
 
 
「お疲れ様です! 僅かなりと皆さんの戦いに貢献できた事、誇りに思います!」
「貴様らのような下働きも戦場にあっては重要となる。
 これからも励めよ、小僧!」

互いの仕事ぶりを称え合い、侍達は日常の業務に戻っていった。
 
「収穫」は大量。
まずはそれらの処分から、だ。

苦労の甲斐あって、この先の旅に備えた装備を整えるのに十分な収入が得られた。
 
まず、服屋を訪れる。

「ウチも袴欲しかったなぁ……」
「す、すみません、いずれ買い足しますので……」
 
幾つか服や鎧を買い足し、「無いよりはマシ」な防具を買い揃える。

次に、武器屋を訪れる。

「収入が大きかったとは言え、首都で鎧を買うための資金も残しておかないと……」
「いいえ、いけません。隊長である貴方には、他の皆より良い武器を持つ義務があるのですよ?」
 
パムの説教に負け、クロトは武器をカタン3等級の脇差に変更する。
リーチは短くなるが、今まで使って来た修理品等級の刀よりずっと性能が高い。

「僕のような小柄な人間には、案外これがしっくり来るかもしれないですね」
 
訓練用ダミー相手に軽く振ってみると、案外馴染む物で、クロトはこの脇差を気に入った。

「カカカ、隊長はんは新しいオモチャに夢中やき、後の仕事はウチらでやっときますかいね!」
「ウム、それでは吾輩は食料を買い足して来るとしよう。
 エリス殿、ご同行願いますぞ」
「あ、待ってよ! ウマさーん!」
 
すっかり大荷物を背負うのは自分の役目と決めてしまい、荷駄役を買って出ているエリス。
食料を詰め込むための木製バックパックを背負った彼を伴い、馬は酒場へ向かった。

「で、この男のような記憶喪失には、ゾムネジアという名前がついたそうでな」
 
「なるほどねぇ…… 感染しないって言われても怖いモンは怖いんで、アンタ達みたいな人が仕事してくれるのは大助かりだよ」
 
と、エリスは、ある酒場の客に目を留め、酒場の一角に向かう。
 
 
 
エリスと馬が酒場の立ち話で情報を仕入れる一方……
その間、クロトは兵舎の方に挨拶に向かっていた。
 
「報告ご苦労。貴様が噂の特務隊の者か」

都市連合軍・スロート防衛隊 総司令 ギンジ
 
「行動に制限を掛けはせんが、便宜を図る気もない。
 我らにはそう余裕は無いのでな」

そう言って睨めつける眼差しには、嫌悪の感情が現れている。
 
「私は長きに渡り、一軍人である事を自己に任じ、一切謀略や政治には関わるまいと心を配ってきた。
 言いたい事は分かるな?」
 
「はい。 決してご迷惑はお掛けしません。
 旅支度が整い次第、早めに出発する予定です」

特務隊の背後に貴族の思惑がある、と……
既に各都市に伝わっているようだ。
 
そうでなくとも、クロトのような年少の見習い兵が特務隊の隊長として特例措置を受けているのだから、裏を勘ぐらずにはいられまい。
面倒な事には巻き込まれたくない、さっさとこの町を出ていけ、と、ギンジ司令はそう言っているのだ。
 
最前線で戦うバスト軍の侍達に憧れていたクロトとしては、正規軍の隊長格にそんな目で見られているという事実は、悲しく、辛いものだった。
貴族に囲われた愛人とでも思われた方がまだマシだろうか。
 
ゾンビを汚染源と見なし、嫌悪する者達がいる一方、予想を越えた反応を示す者達もいた。

ゾンビの奴隷化。
奴隷として、何をどうしようと言うのかは分からないが……
きっと、何かの役には立つのだろう。
それが何かは分からないが……
 
 
 
「クロト! こっちこっち! 早く!」
「なんだよもう…・・・分かったから引っ張るなって!」

酒場でクロトを待っていたのは……
見知らぬJRPG種族の二人だった。

 

「私達はカリン隊長…… ピカリングさんの元部下です」
 
「お話は伺っております。 私達も同行させては頂けませんでしょうか」

元ノーブルニンジャ "JRPG漂流者" アレッタ
元ノーブルニンジャ "JRPG漂流者" オザンファン
 
銀髪の方がアレッタ、金髪の方がオザンファン。
彼女らもまた、運良くゾンビ化を免れたJRPG族の生き残りであり、行く宛なく無為な日々を過ごして蓄えを食いつぶしている所だった、との事。
エリスに話しかけられた事をきっかけに、この町を出て生活を変えたいと頼み込んできた。
 
「……分かりました」
 
半裸の女性に泣きつかれて拒絶出来る少年がこの世にいるだろうか。
後で鎧を買う事を考えると厳しいが、出せない額ではない……
二人分、6000cat、身請け費用を出す事とする。
 
胸元から視線を逸らしながら生返事で同行を受け入れ、ひとまず服屋に向かう所から、となる。
 
彼女らもまた、北海岸の辺境の村落出身。
アイメルト・トゼッリのデッドキャット兄弟とは同郷のようなもの。
何やら熱心に話し込んでいたが……

「クロト殿、話があるでござるよニンニン」
「我ら、決心をしたでござるよ! 忍ッ!」
 
 

 
 
あまり人数が増えすぎると、旅支度の面からクロトの負担が大きくなりすぎてしまう。
クロトにはそう告げて、スロートの町で新たな生活を始める、と伝えた。
侍達の守る町であれば、そうそうゾンビに滅ぼされる事もなかろうと安心出来た……と。
 
兄弟は自分達の分の旅支度の費用をクロトに返し、ここで別れる事となった。
 
 
アイメルトとトゼッリは、役目を果たした。
連絡員であるアレッタ&オザンファンとの情報交換が済んだため、報告に戻らねばならなかった。
 
二人はスロートを抜け出し、一直線に北海岸を目指し、走り出した。

バスト地方が現在どうなってしまったのか、その情報は彼ら浮浪忍者の間にも無い。

2人は帰郷のついでに、ドリンに潜り込む事にした。
 
 
ゾンビの大群は既に消えたようだった。
が…… 戦闘は未だに続いている。

弱りきった砦を狙い、反乱農民が襲撃。

壊滅はしなかったが、無事で済んだという訳でもないようだ。
 
酒場には片付けきれていない死体が転がり、店主無きカウンターの横で男達が休息を取っている。

埋葬する間もなく、基地の一角に死体が積み上げられている。
実力者揃いの侍軍団とは言え、大群の数に圧倒されてはどうしようもなかったか。

いや、待て。
 
あれは何だ。
 
異様な風体の男…… あれも、ゾンビか!?

えぐれた腹から覗く、変色した臓物。
軽やかなステップを踏み、飛んで跳ねるその動きからは信じられない事だが……
明らかに、死体。
拳法家のゾンビ、なのか?
 
なるほど、ドリンの要塞が持たなかったのは、ヤツのせいか。

蹴りが、拳が、唸りを上げて振るわれる度、屈強な侍が一撃で即死させられていく。
 
強さの次元が違う。
あれでは…… ダメだ。
 
バスト方面軍総司令、タギリ。
屈強な侍隊長も例外ではない。

既に片腕をヘシ折られ、勝ち目の無い戦いに挑んでいる。
 
見るべきものは見た。
早くここを離れた方がいい。

また、おぞましい数の大群が、ゾロゾロと列を成してやってくる。
 
 
 
バスト地方を突っ切り、二人は北海岸へと戻った。

ポグ村に到着。

「エリス殿の秘密は未だ明らかにはならず…… 無念。 忍ッ!」
「クロト殿の故郷は、やはりスケイル村。北スケイルで間違いないようでござるよニンニン」

「よし。 よく情報を持ち帰ってくれた。
 お前達が考える以上に、これは大きな収穫かもしれん……」

「「忍!!」」
「あれだけやめろと言ったのに、結局ソレは治らなんだか……」
 
ポグ村に隠れ潜む浮浪忍者の長、ユベール。
彼女は矢継ぎ早に指示を飛ばし、次の任務の準備を進める。
 
まずは、デッドキャットの衛士として働き、鍛錬を続けていた三姉妹を呼び戻す。

彼女達のたっての希望。
 
浮浪忍者の里への帰還。
 
再びの修行と、真相の究明。

モール麾下、真の浮浪忍者としてやりなおすべく、五人は旅立った。
 
 
クロト達同様に、彼女達も未だか弱き存在。
確実に勝てる敵を見定め、経験を積みながらの旅。

決して平坦ではない、失敗多き旅ではあった。
 
が……
 
一度はそこを庭として駆け巡った、思い出の地。

辿り着くのにそう長くは掛からなかった。
 
 
浮浪忍者の里。

ピカリング、カイネン、パスクリ、アイメルト、トゼッリ。
五人はここで、一から修行をやり直す事となる。
 
 
三姉妹は門番として……

アイメルトとトゼッリは、鉱夫をしながら浮浪忍者首領・モールの命令が下るのを待つ事となった。
 
 
その新生活は決して楽なものではない。

忍者の一人が左腕を失くした。

パスクリも胸部に深手を負い、危ない所だった。

三姉妹と兄弟が、生きて全員新たな任務に就く事が出来るのか、否か……
それは、まだ誰にも分からない。
 
だが、それでも……
浮浪忍者達は、世界の破滅を防ぐべく、戦いの日々を続けて行く。
 
 
 

 
 
 
その後もクロト達のスロート滞在はしばらく続き、ようやく最低限それらしく見える程度には身なりを整えられた。
これなら、新人達も一応は従者程度には見てもらえるだろう。

 

万全とは言い難いが、耐酸性の服も買い揃える事が出来た。
準備は完了。
 
クロト達はスロートを出発。

都市連合首都…… 帝都ヘフトを目指し、東へ向かった。
 
 
 
<続く>


設定:ダメージ2倍
縛り:展開にそぐわない行動は取らない(犯罪行為等)
注意:当ブログの記事内の設定はKenshiの公式設定とは異なります