気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi 132:止まった歴史が終わる時

ついに辿り着いた。アッシュランド最深部、第二帝国皇帝の待つ「玉座」に……

その居城の中は……
!!?

鉄クズの山の中…… ヤツ以外、誰も、いない……?
半ばスクラップに侵食されかけた玉座
そこに数千年の歴史を持つ帝国の威光は無い。

これは…… ただの、汚部屋だ…………
なぜ、無人の遺跡を挟み、他の将軍達と離れて暮らしているのか。
なぜ、意思無きスラルばかりが護衛についていたのか。
なぜ、そのスラルすら彼の周囲には一体もいないのか。

孤独な最終皇帝、狂ったキャットロン
狂った皇帝を置いて、皆離れていったのか。

砂漠の町で語られたスケルトンの酒飲み話では、かつては英雄ティンフィストと共に活躍していたようだが……
狂った皇帝と袂を分かち、彼もまた去っていった。
あの檻の数を思い出せ。バグマスターもまた第二帝国残党を倒すべく数百年孤独な修行を繰り返してきた。
伝説の存在と化したバグマスターにとって、こんな世界の最果て、忘れられた地に追い込まれた皇帝であろうと、キャットロンは「倒さなければならない存在」だったのだ。
狂った、と名前に付くだけの事はある……のだろう。
この皇帝に味方はいない。友もいない。部下達も近寄らない。
それでいて、この不気味な沈黙…… 近付くだけで斬りかかって来てもおかしくはなさそうなものだが。

高いステータス。重装甲の鎧。武器も巨大(重武器か?)。
いかにも手強そうな佇まいだが…… ヤツから仕掛けてくる様子はない。
ヤツの眼前まで歩を進めると、皇帝は重い口を開いた。

仲間に捨てられた怨念を、こんな所で数千年も反芻し続けていたのか……
初代フェニックスの反乱に協力したスケルトン……親友だったティンフィスト達の裏切りがきっかけで、誰一人信じる事ができなくなり、部下の頭部を切除し、意思無きスラルに作り変えていった……
そんな所か。
それにしても、数千年の後の「審判」が、早い、か……
と、ここで皇帝の独白に言を差し挟む者がいた。

ビープである。
ケルトン大好きっ子のビープにとっては、この皇帝すらもトモダチにしか見えないのか。
狂乱の果ての孤独。その末期に与えられたのは、無償の優しさ。
差し伸べられる友情の手。
だが……
キャットロンには、それが、理解出来ない。

会話は途絶え、キャットロンは興が削がれたように、全ての反応を断った。
反応は、白。

あるいは、ビープの幼児のような善性が、キャットロンにも伝わったのだろうか。
戦いは…… ここで、終わってしまった……
どうする?
このまま、帰る?
いや……
バグマスターが必ず倒すと誓い、英雄ティンフィストが見捨てるだけの悪性が、この皇帝にはあったはずだ。
バグマスターを倒した者として…… ここでキャトロンを終わらせてやる義務がある。
だが……
最後に、彼に、少しの間、夢を見せてやろう。

ささやかな、ほんの僅かの夢を……
なんて空虚な、なんと殺風景な城だろう。

設備らしい設備は殆ど存在せず、空っぽの燃料タンクばかりが並んでいる。
彼は、こんな所で一体何をしていたのだろう。
第二帝国の復興など…… とうの昔に忘れてしまったのか?
この抜け殻の老人に、介錯を与えよう。

決断は……人類の為でも正義の為でもなく、「ここで殺してやらなければ」という哀れみから来るものだった。
傍らに立つ者の突然の豹変。

キャットロンにとって、それは当然の光景であったかもしれない。
他の仲間には手を出させず、スケルトン同士の手による「第二帝国最後の戦い」が始まる……
が、しかし!

そのような憐憫は、恐るべき火力によって打ち砕かれる。
ダメだ…… 手を抜いて勝てる相手では、無い!!
総員突撃…… いや、ダメだ!

一度に攻撃出来る人数には限りが有る。
この人数で囲んでも、かえって被害が増えるばかりだ!
数人ずつを順次ぶつけ、敵の急所を削り切る!

サッドニール、ミャオ、セイントが倒れた。

バーンは長く持ちこたえてはいるが、いずれ限界が来るだろう。
おや……アグヌはどうした? 援護射撃が飛んで来ていないが……
隣のドームから、生存していたスラルが襲ってきていたか!
厄介な……! 

こちらにはユキを走らせ、アグヌを皇帝射撃に向かわせる。
バーンが倒れた。
追加戦力を投入しつつ、決戦の傍らで現場治療も行う。

どこか間の抜けた…… 組み手のような最終決戦。
だが、この演舞、なかなか終わらない。
胸部、残19。

援護射撃はまだ届かない。
またか!
意思無きスラルが、そのような命令も受けていないだろうに、皇帝を救うべく起き上がり続け、アグヌの手を煩わせている。

皇帝の猛攻は続く。

クロコはスクラップの山の中に叩き込まれ、下腹部を-9まで減らされるが……

どういうワケか、気絶せず、なんとか踏みとどまっている。
ジャンパーに指示していた自動治療のお陰か?
昏倒、治療、復帰…… ラスボスにふさわしい死闘。

狂王の名に相応しい実力は、この目に焼き付け終えた。
最後の一撃は、おそらくクロコのものだっただろう。

キャットロンは、ついに倒れた。
武装は、メイトウの重武器、フォーリングサン。

CPUのテキストは……
かつては、スケルトンもヒトも関係なく「人類」と見なした名君だったのかもしれない。
だが、大臣級のスケルトン達の過ちが招いた革命を受け入れられず、ただただ過去の栄光を追い求め続け、孤立を深めたか。
さようなら、最後の皇帝。
もう、眠るといい……
そっと、CPUユニットを取り外した。
何もかもが終わったと言うのに、スラル達はまだ稼働を続ける。

そこにはもう何の意味も無い。 打ち捨てられた遺跡のスパイダー同然。
そのオイルが流れ尽くし、動きを止めるまで、相手をしてやるのが、せめてもの救いだろう。
皇帝の遺品は回収した。
最後に玉座で眠らせてやろうと、ユキは担いでいたキャットロンを降ろそうとするが……

違う、そうじゃない。
仕方ない。
玉座に座らせる事が出来ないなら、担いだ彼を下ろし、せめて玉座の傍らで眠らせて……

スポッ

HAVOK神の祝福により、皇帝キャットロンは宙を舞い……
自らの居城の礎となり、果てた。
うわぁ……綺麗にオチがついちゃったよ……
バツの悪い空気の中、寝袋を敷いて回復タイム。

お宝探索(特に目ぼしい物は無かった)を終え、ダメージが完治する頃には……
皇帝の遺体は、その姿を消していた。

定礎…… 彼の亡骸はこれからもこの城と共に眠り続けるのだ……
ラスボス勢力、第二帝国…… 討滅完了!

さあ、帰ろう。 みんなの所に……

吹雪が止み、穏やかな陽光に照らされる中、一行はアッシュランドを後にした。
地面に穿たれた、謎の穴……

そして、よく見ると全く地上と繋がっていないようにも見える、円盤状の超巨大構造物……

軌道エレベーターのリングと、シャフトの痕跡……だろうか?
未だ解き明かされない謎を残しながら、この地を去っていく。

巨大ロボットから逃れ、スケルトン兵団を倒し、人間の軍団をも切り倒し、海岸の拠点で回復を終え……

第二帝国討伐の旅は終わった。
残る大目標は、ただ1つ……
次回、奴隷解放戦争編、開幕!