気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi 133:Kenshiの世界を考える

第二帝国を巡る旅は終わった。
軌道エレベーターや、超巨大建造物の残骸の数々……

それは、「第二帝国」が造り上げた物とは思えない。
仮に、彼らがそれだけの技術を持っているのであれば、今再生産されている技術はもっと高度な物のはずだ。
それに、第二帝国時代を描くKenshi2のコンセプトアートを見ても、高度な科学を持ったSF世界には見えない。
そんなとっかかりから、Kenshiの世界について考えていく。
(※以下、『葵のテックハンターズノート』をベースにした考察が多くを占める)
ずっと、記憶の片隅に引っかかっているセリフがある。
どこで聞いたのかもよく覚えていないセリフだが……
「人間達は古い建造物を再利用しているだけの存在」と言った感じの、人間の発展性の無さを嘲るような(おそらくスケルトンの)セリフ。
ここまで世界の隅々を旅した結果、「それはスケルトンにも当てはまるのでは?」と言う考えに至った。
アッシュランドにほど近い南東エリアには、ロケットの残骸と思わしきパーツも存在する。

おそらく、かつては宇宙を旅した文明……おそらくは、第一帝国が建築した宇宙港のような施設がアッシュランドには存在したのであろう。
だが、その一方、南東に居を構えた第二帝国の残党は、それらの科学技術を今に伝えられてはいない。
ヴェンジレーザーもコントロール出来ていないし、あれも第一帝国産なのだろう。
自力で生産できたのは、船が精々だったのではないだろうか。
(Kenshi2のコンセプトアートでは、ボートで移動する一般市民の姿が描かれている)

当初、第二帝国は人類を庇護していたと言う。
と、言う事は、第一帝国と第二帝国が戦っていた頃は、スケルトンと平民が協力し、圧制者(?)の第一帝国を打倒したという事だろうか?
人種的特徴や、英語表記が残っている事から、私は第一帝国を「地球人類」と考えているが……
どう考えても、この世界の人類は地球人とは別の何かとしか思えない。
両腕が折れても残された両足で蹴りを放ち、そのまま戦えるのがこの世界の人間だ。

裸で熱砂の上を旅し、睡眠は必須ではなく、放置するだけで骨折も治る。
そもそも、この「現行人類」は100年で死ぬのか?
ゲーム中、老人らしい老人もいなければ、子供らしい子供も殆ど見かけない。
この世界の人間がセックスに感心を持っているのかどうかも分からない。
ゲームの制作上&仕様上の問題ではあろうが…… 我々地球人と同じ種であるとは、あまり思えない存在だ。
地球上の牛やヤギに似た動物も、この星では外骨格を有し、高い戦闘力を持った別の生物だ。
それらの特性を得た、シェクのようなキメラ化した人類すらも誕生している。
この星の人類は環境に適応するように遺伝子改変された奴隷人種であり、生産資源を宇宙……第一帝国に送り出すのが仕事だったのではないだろうか。
第一帝国が第二帝国によって追い出された後、どうなったのかは分からないが、その後姿を現していない所を見ると、別の植民惑星に向かったか、あるいは……
あの地球(仮)の様子からして、大異変によって死滅したか……
この星は衛生? 火星との距離が変わるくらいの異常事態が?
想像は止まらないが、もうここまで来ると考察の範囲を越えてしまうだろう。
注目したいのは、皇帝キャットロンのCPUに記された一文だ。

ここで言う「人類」とは、本当にKenshi世界の人類の事だろうか?
確かに、南東への道はフォービドゥン・ゾーンと呼ばれ、第二帝国は現代の人類に存在すら忘れられかけている過去の遺物でしかない。
だが、仮にこの「人類」が第一帝国……上位存在たる宇宙の民だったと考えると、「かつては人間を対等に扱った名君だった」というイメージは崩壊し……
「自らを上位種と見なすが、上位存在からはとっくに忘れられている」となる。
ケルトン達は、旧支配種に見捨てられ、置き去りにされた存在なのかもしれない。
いや、スケルトン達だけではなく、この星の人類もまたそうなのではなかろうか。
教育、技術、文化の継承が行われず、「研究台」の中に残された定型規格を再生・再利用する事しか出来ない人類……

ケルトン達が最も恐れているのは、人類が持つ叡智、クリエイティビティが再び花開く事ではないだろうか。
だから、過去の真相に至る情報だけは、頑なに禁則事項として語ろうとしない。
第一帝国=真の人類は、彼らにとって敵だった。
同じ道を辿らせたくはない……のか?
では、第二帝国に発展性無き劣化種の人類を越える叡智はあったのか、と言うと……
彼らの行った施策はことごとく失敗しているような気がしてならない。
世界を滅ぼしかねない致命的な大失敗を、複数回やらかしたのではないかと類推させる手掛かりがあちこちに残されている。
カニバルのような改造人種の誕生。
クレーターでの超巨大大爆発。
飢餓の発生。
圧政。
第二帝国が行っていたのは、あくまで第一帝国の造った世界の維持でしかなかったように思える。
ケルトン達のクリエイティビティは、スラルのような「合理性」ばかりを重視し、生命体の持つ苦痛や感情を考慮しないものばかりだったのだろう。

旧帝国を打倒して自由を勝ち取ったはずが……
自分達は世界を破壊し、食人種を生み出し、人類を破滅させ、醜怪なキメラが跋扈する地獄のような世界が残るのみ。
メンテナンスもアップグレードも行えず、錆びて朽ちて行くのを待つだけ……
ケルトンは笑わない、スケルトンはいつも泣いている……ブラックデザートシティのあの陰鬱な雰囲気も分かろうと言うものだ。
このままでは、この星に未来は無い。
では、Kenshiの世界が描き出しているのは、緩やかな死に向かっていく未開の惑星の悲劇に過ぎないのか、と言うと……
そうではないと断言出来る。
この荒れ果て、停滞した世界に差し伸べられた唯一の希望、プレイヤーの介在。
そこから、この世界は「人類の叡智」を取り戻して行くのだろう。
搾取・圧政を打倒し、荒れ地に町を生み出し、安定した生活をもたらす……

この世界に存在しない、我々だけが知っている、善意、知恵、自由、平和、平等……その概念の力で、狂った世界を救う。
なんとも王道のRPGではないか。
ゲームプレイそのものが、「新たな人類の時代」に向かう道のりに他ならないと思える。
つらつらと、やくたいもない妄想をCSの「古代の宇宙人」のような語り口で並べ立ててしまったが……
今更記事にするのなら、定説とは違った目線も盛り込みたいという思いで、こんな感じに。
ツッコミどころ満載ながら、笑って流して頂けるとありがたいな、と……
では、そんな絶望の時代に終止符を打つべく、ここから先のプレイ目的は……
荒廃と圧政の象徴、奴隷制度との戦い!
トレーダーズギルド、奴隷商人、都市連合……
これらの勢力を打倒する、奴隷解放戦争編に突入! だ!
続く。