気刊くろみつタイムス

主にゲームプレイ日記。過去記事一気読みは「目次」からどうぞ! ※他ブログからのインポート引っ越し時に改行崩れ&画像消滅が発生しています。

#Kenshi 2-56:約束の地へ

魚人島からマスターを救出した遠征隊4名と共に、本拠点へと引き返す途上……

どうしても己を試さずにはいられない、例のアレを発見。
「お前達は固守・防御姿勢で離れて見ていろ!」
お? おお!?

一発で危険な状態になっていた前世でのプレイ時とはまるで違う……
一発20~30程度の被ダメージで、敵の攻撃命中率もかなり低い。
行ける! 案外タイマンで行けるぞコレ!
が、しかし……

スキンスパイダーの乱入で調子よく攻撃を防いでいたのが台無しに。
結局、気絶するまでに与えられたダメージはこの程度。

いつかまた、邪魔の入らないタイマンで戦ってみたいものだ。
そして……

予想外の速さで再戦の機会が訪れた。
モウン周辺エリアで、二匹目のリバイアサンと遭遇。
行ける! やはり行けるぞ!
この調子なら勝利する事も不可能ではない!

と、勢い付いていた、その時……
ふと気が付くと、防御・固守で待機していた遠征隊の方がボッコボコに。

まーたスキンスパイダーかよ……
一度臣下を救いに走った上、さらなるスパイダーの乱入もあり、再度の敗北。

乱入スパイダーの数は前回より多かったけど、削り量は上々。
ステータス80台前半ではこんな所か。
倒し切るにはもう少し修行する必要がありそうだ。
魚人島、カタン、モウン、燃え盛る森、ロット、と経由し……

聖都を完全に覆い隠すサイズに肥大化した本拠点マスターフォースに帰還。

持ち帰ったAIコアで、KLRアームの研究を解禁。

これで、一区切り、だな。
そろそろ…… 頃合いだ。
マスターは、また1人、旅に出る。

バッドティース、ハブ、ヴェイン、グレートフォートレス、ラストスタンド、と経由し……

避け得ぬ戦い。 運命の地へ……

東からアラックの山岳地帯に入ったため、ルートを見誤る。
水泳速度の出ない身体になってしまったマスターでは、泳いでショートカットする訳にも行くまい。

大きく回り込み、北から西に回り込むルートで再突入。
視界は極めて悪いが、遭遇戦を恐れはしない。

この時のため、サーベルスキルを鍛えておいたのだ。
エッジ3の虫特効デザートサーベルで200ダメージを叩き出し、瞬く間にスキンスパイダーの一群を倒し、被害は僅か。
偶然近くを歩いていた「賞金稼ぎ」と共闘する場面もあった。

こんな悪夢のような領域をたかがスキル30~50で出歩くとは、無茶な野郎だ……
山岳外縁部から、中枢部まで、ここが丁度半分と言った所か。

ここでいいだろう。
持ってきた資材で休憩小屋を建てておこう。
霧に霞むあの山並みの向こうに、ヤツがいる……

ヤツとの戦いまでに、少しでも己を鍛え上げておきたい。
しっかり苦戦はしておきたいのだ。
だから、見知らぬ賞金稼ぎが絶望的な状況の只中にあったとして、それを見捨てる事はしない。

アラック名物、エンドレススパイダー、楽しませてもらおうじゃないか!!
と、大口を叩いていたのもつかの間。
2群を殲滅し終えた時点で、胸部耐久は26。

小屋まで戻って出直しだ。
再出発後も、同様。

再度の出直しを余儀なくされるが……

魔王城の麓に、2つ目の避難小屋の設置を完了するが……
発電コアを一つしか持参していないため、2基目未完成という大ポカもやらかしてしまう。
まあ、ベッドがあるだけでも役には立つか。
そして、三度目の侵攻で、チャンスが到来。

ごく少数のスパイダーとの戦闘のみで、敵本丸への進路がクリアーとなる。
今がチャンスだ! 巡回している群れが戻って来る前に、一気に乗り込むぞ!!
魔王の城の足元で少数の敵を倒し……

城門の番人を撃破。

城内から迎撃に出向いて来たブラッドスパイダーを倒し……

城内一階の敵戦力を掃討。

快調! デザートサーベル作戦は大当たりだったな!
被害は許容範囲。 出直す必要はあるまい。

掃討した一階フロアに休息地点を確保。

寝ている間に殴り起こされるハプニングを挟みつつ、体力を全快まで持っていき……
 
<バグマスターの玉座 2階>

「バグマスター。 その酒、残念だが飲む機会は永遠に来ないぞ」
「……?」
 
「また、愚かな挑戦者がやって来たか。 どこの馬の骨か知らんが、その生意気な口を二度と……」
「どこの馬の骨かは、見れば分かるだろうさ。 こっちを向いて見るがいい」

 
 
「!? ば、バカな…… その顔、は……!!」
「そう、私だ。 バグマスター。 第一文明最後の生き残りよ……」

「お前は…… ホーリーロードフェニックス、一世!? そんなバカな! 有りえん!!」
「言いたい事は分かるさ。『お前は確かに食ったはずだ!』、だろ?」
「そうだ! 今、確かにお前は私の中に存在する! 私は蜘蛛以外の「分体」を作ってなどいない!」
「この箱に、確かにお前の歯が存在する! お前は……一体何なんだ!?」
「本当に、分からないのか? 酒の話もしてやったというのに」
「・・・・・・・・  まさか、お前は…………」

「ああ。私は、お前だ。 私はお前から見て、未来のお前自身なのだ」
 
「その割には、随分とお前の存在は…… ああ…… なるほど、そういう事か」
 
「どういう事かな?」
 
「貴様、負けたな?」
 
「…………正解だ」
 
「どのような技術で時を遡ったかは知らんが、負けて弱くなり、今の私が必要となったのだな?」
 
「そうだ。 今の私は、フェニックス一世たる自身に加え、ごく僅かな戦士を取り込んだのみ…… 不死者でもなんでもない、非力な人間に過ぎない」
 
「一つになりに来た、か。 良かろう、食ってやろうではないか」
 
「そうではない。それでは、意味が無い」
 
「ふむ…… では、どういう事だ? まさか、お前が私を食おうとでも言うのか?」
 
「その、まさかよ!!」
 
「笑止ッ!!」

「流石に疾い…… だが、威力は不十分よな!」
「フム、良い鎧であるな。 持久戦がお望みのようだが……」

「あまりに未熟ッ!! 今の私の戦闘力を知るお前が、何故にその程度で我が前に立ったか!」
「グッ…… こうでなくては、な…… これだから、いいのだ……」
「分からん…… 何を世迷い言を…… 出直して来るがいい」

「ああ、また、来る……」
 
マスター…… バグマスターに取り込まれた英雄達の「分体」……
 
無力な存在に生まれ変わってから、ここまで数々の戦いを経て勝ち得て来た成長も、まるで及ばず。
一太刀も浴びせる事なく、瞬く間に沈む事となった。
 
この、聖王としての力を失った凡庸な戦士は、既にバグマスター自身の体内に因子として存在する者の劣化コピーでしかない。
 
バグマスターからして見れば、取り込むだけ無駄。
いやさ、自らの弱体化にも繋がりかねない無駄である。
鍛え直してから食われに来いと、そう言いたいのであろう。
 

ステータス20の差は、近いようでいて、果てしなく遠い。
いかな熟練の戦士とは言え、「超人」に敵うはずもない。
その、半日後……

「ハハッ! もう一本頼むよ! 師匠!」
「クッ! 貴様、ふざけているのか!?」
「その程度の実力では、何度やっても同じだ! 馬鹿者め!」

その半日後も……

そのまた半日後も……

二人の戦いは果てしなく続いた。

「本来の機能は持っていないだろうに、貴様、何だ? その回復の早さは……」
「ああ…… 俺達の末裔、中々に仕上がっていると思わないか?」
「敗北はしたが、何らかの新たな因子を得たか」
「ああ。 とびっきりのヤツをな」

「お前を倒した者の力…… それは、何だ?」
「そいつは見てのお楽しみ、というヤツだ!」
「フム…… 悪くはない。 が、及第点にも及ばぬ」

「悪いな…… まだまだ、付き合ってもらう、ぞ……」

7度…… 8度…… 敗戦が続く。
が…… しかし……

無為の敗北ばかりではない。
果て無く続く死闘の中、快心の一撃が決まる回数が、ジワリ、ジワリと増えていく。
滞在十日目。

初めて深手を与える。
滞在15日目。

初めて後一手まで迫る。
滞在19日目。

再び後一手まで迫る。
滞在20日目。

気絶から再戦を挑むも、あと一歩及ばず。
滞在21日目。
バグマスターにダメージの蓄積が残る今がチャンスと、気合を入れ直して勝負を挑む。

 
が、再び敗退。
 
滞在22日目。

四部位を半減まで持ち込み、敗退。
 
8時間後、マスターが全快する頃には、バグマスターもほぼ回復。

このまま初期状態まで完全回復される予感。

攻撃が通る。 通る。
この連日の戦いで、技量が磨かれたという事だろうか。
あるいは、乱数のご機嫌か。
 
バグマスター、胸部残り10・下腹部残り43
共に一撃圏内。
 
そして……

渾身の一撃。 42ダメージが胸部に決まり、決着。
 
弱い己による、究極の己を越える戦い。 決着。

「さあ、行こうか。 何百年ぶりだ? ここを出るのは?」

「聴こえちゃいないか…… 幸せそうな寝顔をしやがって……」
 
なんとしてもこの男の身柄は持ち帰らねばならない。
慎重にスキンスパイダーを迂回しつつ、第二避難小屋へ。

バグマスターを床置きにはできない以上、檻でも建てて閉じ込めてからベッドで眠ろうか、と考えるのだが……
 
ドアを開けると、驚きの宿泊客が出迎える。

難なくこれを撃破するのだが、鉄板の不足により檻の設置は不可能だった。
完成しないスケルトンベッドや風車など、建てるのではなかった……
 
遭遇戦は、僅か3匹。問題なく第一小屋までたどり着く。

ここまで来れば、もうスキンスパイダー地帯は抜けている。
後は気楽なものだ。
 
アドマグとスタックでクラル戦士団の兵達に喝采を受け……

丘の向こうに巨大な塔のシルエットが見えてくる。
あれこそが、我が帝国のシンボル……
 
オクラン・プライド。 我が魂の誇り。

「NEW NATION」……
やはり、この地にこそ建てねばならなかったのだと、深い満足を得る。

筋力+1 打強+5 器用+1 サベ+2 鉈+3 近攻+2 近防+1 回避+2
 
数値の上での成長は僅かではあるが、越えるべき壁を越えた達成感は大きい。
 
さあ、我が臣民達よ、時は来た。
準備を始めよう。

バグマスターは監獄塔に閉じ込め、トリプルゲートを閉鎖。
マスター自らが監視にあたる。
多くの人員を投入し、祭器の完成を急がせる。

そして…… 完成。

「モズ、バグマスターを連れてこい」
「唯一侵食されぬお前にしか出来ん仕事だ。 よろしく頼む」
 
「とうとうこの日が来てしまったのですね…… 何だか寂しい気もします」
 
「なに、私の何かが変わる訳ではないさ」

 
「なるほどな…… ただ成長が速いだけの個体ではなく、それ以上の……
 桁違いの何かを感じる。
 キャットロンの言っていた高次エネルギーの干渉にも波形が似ている」

「忌み嫌っていた機械を身体に入れてまで生き永らえてきた理由は、ここにあったか」
 
「ああ。 最早私はバグマスターであってバグマスターではない。
 むしろ、私は有機体として正常な存在…… 狂う事の無い「ヒト」に進化したのだ」

「システムに縛られず、世界を破壊もしない。
 今の私は、バグの無い、正常な…… ただの『マスター』だ」
 
「良かろう。 
 どうやら、キャットロンを倒すには、私の中の無意味な妄執…… バグの修復も必要なようだ。
 私は一体化を受け入れる。 私もまた、『マスター』となろう。
 フフ…… 何百年ぶりだろうな、この胸の高鳴りは」
 
「分かるぞ。 何せ、お前ですら決して知り得ぬ未知が待っているのだからな。
 お前の辿った未来は、凄いぞ?
 記憶の共有、大いに期待していてくれたまえ」
 
「ああ、ああ…… 楽しみな事だ……」

 
「諸君! 今日この時まで、よくぞこの無力なマスターに付いてきてくれた!」

「ついに、この時が来た! 今日、この時、私は高らかに宣言する!」

「我が、大いなる新帝国! Master Fourth はその仮初めの名を捨て、真の名を取り戻す!
 オクラン・プライドこそは、我が誇り! 蘇りし真なる第三帝国……
 すなわち、第四帝国時代の始まりである!」

「これより先、我が帝国の名は……!!」
 

 
こうして、クロコに破れたバグマスター、その最後の分体であるマスターは、当初よりの悲願を達成した。

彼は既に、怨敵クロコを越える覇業を成し遂げ、新たな時代を切り拓いた。
 
残る願いは、後一つ。
 
約束の地へ……
再び、戻る事だけだ。
 
 
 
続く。