青本が足りない。
探索班、ユキチームの出番だ。
今回の目的地は、こちら。
宝の地図で場所の判明した遺跡は、もう手近には存在しない。
スクイン、その先のウェイステーションを経由し、後は補給地点が(知っている限りでは)存在しない……
めっっっっちゃ遠い。不安しかない。
大量の干し肉と包帯、野営用の建築資材と布を積んで出発。
まずは、ウェイステーションすぐ南のバンドオブブラザーズのキャンプで遊んでいく。
隠密の成功率も上がって来たな……
BARが近いから、剥いだ装備もすぐ換金出来る。
折を見てまた寄ろう。
あと、酒場で卓上の噛み棒を見つめてしまう。
クッソマズそう…… 皿を使う文化も、この世界には無いんやな……
ウェイステーションから、次はこの辺り……
何かありそうな雰囲気のポイントを経由して旅をする。
一箇所目の?ポイント。
うーん、何も無い……
二箇所目。
なんだか、古代に城でも建っていそうな人工的な地形にも見えるが……
ここにも何も無い。
更に南へ進み、食料が生産しやすそうな湿潤な地域に入っても、まだ文明の気配はない。
間で少しは町・村の類いが見つかるかと思ったが、アテが外れた。
このまま無補給旅行も覚悟しなければ……
戦闘する訳にはいかんぞ、こりゃ。
随分とシェク王国から離れ、文明の欠片すら見当たらない地域にまで進んだが、シェク系の蛮族は時折ウロついている。
視界に入らないように避けて進む。
時折、僅かにビルの角の名残りのようにも見える鋭角の物体が立っているくらいで、本当に何も無い。
また入ったら怒られる系かと思い、スルー。
さらに南下していく。
赤い色の混じる山岳地帯に差し掛かり、キャンプ地らしき物を発見。
おお、ようやく人と会えた! カーソル合わせても赤くない!
話しかけてみよう。
賞金稼ぎの皆さんか。
おお、噂のシェクの天敵、「バグマスター」を倒すために集まった連中か。
以前(18話)に、話だけは聞いたな……
バグマスターの持つ秘宝とやらに目がくらんだ連中か……
興味はあるが、ラスボス級と言われる強敵と聞く。今の戦力で倒せる相手ではあるまい。
素通りして南下する事にする。
この辺りがバグマスターの領域なら、偵察くらいはして行こうか。
プレイヤーキャラまでその噂話を知っている程の有名人。
昆虫と言うのは、正確ではない。
彼が操る軍団とは……
スキンスパイダー、だ。
人間の手のような部位が残るモンスター。
何らかの影響で変異した人類か、はたまた改造生命体か…… 諸説あるおぞましき存在。
が、戦闘力自体は低く、大した脅威ではない。
バグマスターを真の驚異たらしめているのは、その数。
一群だけでもこの数…… こんなのが、常時大量に徘徊しているのだからシャレにならない。
接敵しないように慎重に進路を変更し、領域外に逃れるように移動していく。
赤黒い山脈を西に抜け、ようやく群生地帯を離れる。
この辺りまで来てもシェクの蛮族はまだウロウロしている。
こんな僻地に、バーサーカー、クラル戦士団に加え、バンドオブボーンズまで存在するのか……
本当に何も無いエリアなので、飢餓状態で徘徊している。
いずれ力尽きて死ぬのだろうな……
と、ここで遺跡を発見。
目的地にはまだ距離がある。これは別の遺跡だぞ! 自力発見!
予定コースからは逸れてしまったが、結果オーライ。
ルンルン気分で侵入を開始する。
うへぇ…… いっぱいいるなぁ……
ついたてが立てられてなかったら、即座に発見されてたかもしれない。
(このついたて、誰が何のために立てたのだろうか?)
画像左側の入り口から改めて侵入し直すが……
電気が、照明が生きているため……
隠密が破れ、追われる羽目に。
遺跡を出れば警備ロボは追ってこないかと思ったが、しつこく追ってくるではないか!
追跡が一匹だけになったところで、意を決する。
たかが一匹! あの頃の我々とは違うってトコ、見せてやんよー!!
って、痛ぇーーーー!! 一発77だとぉ!
防具の無いブングルにはこりゃ酷だ!
かなりのダメージを受けたものの、流石に一匹には負けない。
剥ぎ取りは…… イマイチ。
さて、どうしたものか。 ここまで来た以上、諦められるものではない。
ダメージの大きいクロウとブングルは仮設小屋で休ませよう。
以前の反省を活かして、小屋一つとベッド一つ分程度の資材は持ってきている。
隠密に影響あるダメージではない……
もう一度行くぞ!
ユキのトレジャーハント再トライ、後編に続く。